« 広がる退職給付の官民格差 | トップページ | 日銀の政策転換に対する危惧 »

2012年3月 9日 (金)

国家公務員の大幅採用減を歓迎する

 政府が2013年度の国家公務員新規採用を大幅に減らす方針を打ち出した。総務省が各府省に提示した案だと、09年度に比べ平均で7割程度の減だという。結構なことである。

 1970年頃のことだが、当時、通商産業省の局長から鉄鋼大手の役員に天下ったばかりの某氏から聞いた話。「いきなり行政改革をやろうとすると、霞が関はいまあるポストを減らされるので皆、猛反対する。その代わりに、新規採用数を半分にするとか、大幅に減らし続ければよい。それだと抵抗が少ない」と。各役所は10年とか20年のタームでみると、係長、課長補佐などのポストに充てる人が少なくなるので、否応なしにポストの統廃合を行なう。おのずと重要性の乏しい業務から手を引く、というわけだ。その話は現在でも通用するだろう。

 いまの霞が関は天下りがしにくくなり、かつ定年延長もあるので、長い目でみれば、新卒採用を減らすほうが現役にとっても好都合ではなかろうか。日本の人口が減り続けているし、デフレ脱却や経済社会の活性化を促すためにも、規制を減らしていくこと、即ち、小さい政府になっていくことは望ましい。

 失われた20年の間に、各種の業界団体が廃止されたり統合されたりした。海運、造船、鉄鋼、証券など、かつて隆盛を誇った産業でそれが顕著である。しかし、農林水産業、経済産業省や国土交通省などは、必要度の高い業務が大幅に縮小したにもかかわらず、たくさんの人員を抱えている。

 よくないのは、たくさんの人員を抱えていると、無理やり仕事をつくりだすことだ。“理屈はあとから貨車でくる”。もっともらしい理屈をつけるのは得意な連中である。とはいえ、無理して大世帯を維持している役所では、かなり士気が沈滞している様子もうかがえる。

 いつの間にやら立ち消えになったが、国家公務員を一括採用して、各府省に配属するというのは、実行する価値があると思う。省あって国なしというような縦割りの弊害をなくすこと、時代のニーズに応じて各府省の再編や人員の移動を容易にすること、などメリットは大きい。行政改革実行本部(本部長は野田首相)は行革に直結する一括採用を忘れないでほしい。

|

« 広がる退職給付の官民格差 | トップページ | 日銀の政策転換に対する危惧 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国家公務員の大幅採用減を歓迎する:

« 広がる退職給付の官民格差 | トップページ | 日銀の政策転換に対する危惧 »