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2012年3月23日 (金)

AIJに見る厚生行政の罪深さ

 いまから20年近く前のことだが、鈴木永二日本経営者団体連盟会長が「ひどいじゃないですか」と立腹していて、以下のような事情を話してくれた。

 首都圏にある中小企業の事業組合が厚生年金基金を設立しようとして厚生省に申請したが、いつまでたっても認可されず困っていた。鈴木氏が関係している団体なので、そのわけを聞いたら、所管官庁である厚生省は天下りを受け入れないと認可してくれないという。天下りの条件として年収まで指定してくるという話だった。

 この団体は、いつまでも基金設立が決まらないのでは困るから、やむをえず天下りを受け入れて認可を得た。しかし、腹の虫がおさまらない鈴木氏は、ある会合で一緒になった厚生省の年金関係の局長に苦情を言った。それに対し、同局長は「そちらから、是非、人を派遣してくださいという要望書が出ているので、それに応じただけですよ」と“ぬかした”そうだ。大企業以外の設立申請に対しては、申請書類に「人材割愛願い書」を添付しないと、なかなか認可しなかったのである。ちなみに、割愛願いの用紙は、厚生省が印刷したもので、認可申請書類と一緒になっていた。

 いま、AIJ投資顧問のでたらめな資産運用で多くの厚生年金基金が打撃を受けている。そうした厚年基金のうち、かなりの数が厚生省・社会保険庁の天下りを受け入れている。天下った彼ら一人ひとりにどれだけの責任があるかはさておき、厚生省(いまの厚生労働省)が厚年基金を自分たちの新たな天下り先とみなしていたことは確かだ。真に労働者・国民の利益第一に考えて厚年基金の仕組みをつくったわけではない。

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