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2012年3月 4日 (日)

東京電力の新会長になる人はどんな人?

 日本経済新聞の4日付けに、「政府の議決権割合とともに勝俣恒久会長の後任選びが今後の最大の焦点となる」という記事が載っている。

 同紙によると、「政府・与党は東電の新会長について、外部の経営者を中心に人選を進めている」という。では誰になるのか、それはとても興味深い。日本で従来、会長と言えば、ほとんど社長のポストを譲ったあとに就くことが多く、主に対外活動である。

 しかし、これからの東電の会長に求められる条件は何だろうか。取締役会議長(チェアマン)としてなのか、それともCEOとしての機能なのか。

 日経によれば、「東電は福島第1原発の事故賠償、廃炉などの難題を抱えている。新会長は国会で与野党の厳しい質問にさらされるのも間違いない。経営手腕だけでなく、覚悟と胆力が求められる」とある。

 そして、電気料金引き上げの抑制、閉鎖的経営体質の変革、事故処理や賠償の円滑化、電力供給の効率化・安定化などの経営課題を先頭に立って実施しなければならない。

 それだけではない。電力事業の分割・再編、脱原発、エネルギー革新、コストダウンなどの問題にも進んで当たらねばならない。それらの諸課題に、東電が自己変革を遂げつつ、適切に対応していくように引っ張っていける人物というのが期待される新しい会長像らしい。

 東電は民間企業といっても、公益事業であり、つぶれる心配もなく、殿様商売をしてきたことは確かだ。したがって、企業風土を大きく変え、上記の経営革新を遂げる必要があるのはよくわかる。だが、国会、経産省などの監督官庁、金融機関などとの対応もできることが期待される。そして、言うまでもないが、電力事業についてきちんとした知識を有していなければならない。果たして、そんなスーパーマンがいるのだろうか。

 これまで同じ民間企業同士として東電の役員たちと付き合ってきた人が、東電の経営をほぼ全否定する役割の会長になるというのは、心理的に抵抗がある。その面からも、引き受ける企業経営者は少ないだろう。民主党政権に対する経済界の評価も低い。国民の評価も同様に低い。火中の栗を拾うとは、こういうことかもしれない。

 そんな風に考えていくと、東電を国営ないし国有企業化して、総合特別事業計画などで同社の抜本改革を行なうため、民間から新会長を送り込むというのは、どこか無理があるように思えてくる。

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