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2012年4月 3日 (火)

橋下市長が提起した敬老パス見直しの意義

 大阪市の橋下市長が、70歳以上の市民全員に支給している敬老優待乗車証(敬老パス)の財政負担が増える一方なので、半額の自己負担、利用限度額の設定などを行ないたい旨発言した。現在は敬老パスを無料で支給しており、いくら利用しても個人負担はゼロ。

 東京、名古屋、横浜市といった政令指定都市は利用者の負担が年間いくらといった自己負担がある。しかし、大阪市は1972年11月に制度を開始して以来、ずっと無料で、2011年度当初予算では約84億円を計上。橋下市長は「いずれ100億円以上になるのは目にみえている」と言う。

 そこで、高齢市民の反対を承知のうえで、制度の見直しをぶちあげたわけである。少子高齢化の段階に入り、長期にわたるデフレもあって、日本経済の活力は低下している。財源がいくらでもある成長の時代が終わった以上、それに即した持続可能な経済社会に転換しなければならない。それには歳出が増える一方の福祉、社会保障の制度も見直しが必要である。

 しかし、「フリーランチはない」にもかかわらず、実際に福祉予算や社会保障関連の歳出の増大に歯止めをかける立派な政治家はまず存在しない。橋下市長が真っ向から、この問題に取り組む方針を明らかにしたのは、勇気があり、すばらしいことである。現下の日本の政治家の中で、最も尊敬に値する。

 国政では、例えば70歳~75歳の高齢者の医療費自己負担は本来2割であるのに、特例を継続して1割負担にとどめている。こうした例が示すように、民主党政権は、社会保障費の増大を当然視して、国家財政の借金をどんどん膨らませている。言い換えれば、現役の人々や将来世代にツケを回している。

 だが、国のやっている仕事は非効率だし、そもそもやる国がやる必要のないことまでやっている。地方自治体も似たりよったりだ。したがって、財政破綻のおそれが出てきた今日、中央政府も、地方政府も、財政建て直しに本気に取り組まねばならない。橋下市長の具体的な問題提起は、国、地方のなすべき改革の方向を指し示していると言えよう。

 ところで、東京都の敬老パスには大きな欠陥がある。都営地下鉄、都営バスの路線の住人などにとっては年間いくらか払うだけで無制限に利用できる。しかし、主としてJRや私鉄、民営バスを利用している都民には全くメリットがない。住んでいるところで差別されている。こうした不平等な措置は廃止し、平等な措置に改めるべきである。

 

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