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2012年4月12日 (木)

中央銀行の役割をめぐって

 12日の朝日新聞朝刊に載った「クルーグマン コラム」は、米FRB(連邦準備制度理事会)に対し、インフレリスクを恐れず失業対策重視の政策をとれ、と要求している。

 中央銀行であるFRBは物価の安定と完全雇用の実現に関与する責務を負っているが、インフレを気にするより、失業率に気を配ることが望ましいという。なぜなら、そのほうが国民の暮らし向きは良くなるし、緩やかなインフレは民間の債務を実質的に軽減し、経済回復を促すからだとクルーグマン氏は述べる。

 FRBが失業対策のためにより積極的な金融政策をとって、3%とか4%のインフレを招いたとしても、それは歓迎すべきことだとまで言い切っている。

 一方、日本では、通貨の番人である日本銀行が2月に、インフレターゲットとも受け取れる金融緩和策に踏み切った。しかし、目途として挙げた1%以内の物価上昇率に対し、米国と同じ2%、ないしそれ以上のターゲットを設けよと唱える学者、エコノミストも少なくない。

 そして、政府も、安住財務大臣が11日の会見で、デフレ脱却のために政府と日銀の協調を強める考えを表明。日銀が今月27日の金融政策決定会合でデフレ脱却策をさらに強化することに期待を示した。

 日銀は政府の意向にかかわらず、独立して金融政策を決定、実施できることになっている。しかし、中央銀行が政府に反して独自の金融政策をとりうる国は日本以外にはない。このため、日銀法の改正論が出始めている。そうした政治の動向は日銀としても無視できない。日本銀行はインフレターゲットを含む金融緩和策の拡大に追い込まれる可能性が大きくなっている。

 ただ、金融政策だけでデフレから脱却できるか疑問だとする意見も多い。日本は財政危機が深刻化しており、金融の舵取りいかんで、国債の暴落(金利が高騰)や大幅な円安などにつながるおそれもある。

 このように、いまは中央銀行の正念場のようである。

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