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2012年5月12日 (土)

高まる若者の終身雇用支持

 労働政策研究・研修機構が「第6回勤労生活に関する調査」の結果をこのほど発表した。3年おきに調査し、結果を発表しているが、2000年代になって顕著に変化しているのは、若い世代の終身雇用支持率の上昇である。20~29才では、01年に64.0%、04年に65.3%だったのが、07年に81.1%、最新調査(11年)では84.6%に達した。また、年功賃金に対する支持率も、20~29才は01年54.1%、04年56.1%、07年75.5%、11年74.5%と同様な上昇傾向を示している。

 30~39才でも、終身雇用への支持率は01年72.6%、04年72.1%から、07年85.9%、11年86.4%へと上がっている。年功賃金の支持率についても、01年55.8%、04年62.3%、07年63.8%、11年73.1%へと上昇傾向がみられる。日本型雇用慣行に対する考え方が世代間でかなり違っていたのが、前回および今回の調査結果ではさほど違わなくなっている。

 1つの企業に長く勤めて管理的な地位や専門家になるキャリアを望む者の割合は過去、ゆるやかな上昇傾向を示していて、01年40.5%だったのが11年には50.3%と過半数になった。そのうち、20~29才は11年に51.1%と似た割合だが、04年33.9%、07年40.3%から急速に増加しているのが特徴。30~39才は01年に34.9%だったのが11年に46.7%にまで上がっている。

 非正規雇用の割合が増え続けているため、勤労者にとっては安定して働けることがとても大事になっている。そうした雇用環境を反映した調査結果だと思う。組織から飛び出し、新しいビジネスを起こそうとする人が減るのは当然かもしれない。しかし、日本経済の活力を維持し、強化する必要性を考えると、安定志向の強まりは好ましくない状況である。

 同機構は今回の調査で、ほかにも階層意識、社会意識、生活意識などの調査をしている。調査結果は興味深いものがあるが、総じて日本の社会が保守化、安定化を志向している様相を示唆しているように思える。

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