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2012年5月 9日 (水)

日銀が「銀行券ルール」超える長期国債保有へ

 政府は今年度に、税収に匹敵する国債を発行する予定だが、その結果、日本銀行の発表によると、同行が抱える長期国債の残高は今年末にも銀行券発行残高を超える見通しという。これは日本経済の先行きにとって危険な兆候である。

 膨張的な国家財政を賄うために、日銀が歯止めなく赤字国債を買い取り続ければ、いずれひどいインフレになる。このため、日銀は2001年3月、通貨当局としての歯止めを「銀行券ルール」という内規として設けた。長期国債の保有残高を日銀券(お札)の発行残高以内に抑えるというものである。

 しかし、8日の発表によれば、ことしの年末には、長期国債保有残高は約92兆円に達する見通し。一方、日銀券発行残高は年末に約83兆円となる見込み。したがって、「銀行券ルール」に反するのはほぼ確実だ。

 もっとも、日銀当局は、「資産買い入れ基金」による長期国債保有残高(約24兆円)は内規の対象外という解釈をとっている。逆に言えば、政府にどんどん長期国債買い入れを迫られ、いずれ近いうちに「日銀券ルール」を守りきれなくなると予想したから、もっともらしく「資産買い入れ基金」なるものを早めにつくったのが真相ではなかろうか。

 官僚は原則が守りきれなくなりそうだと判断すると、自分の立場を正当化するため、もっともらしい理屈をでっちあげるのが得意だ。太平洋戦争における陸海軍などの歴史を振り返れば一目瞭然である。「通貨の番人」役の日銀は明らかに転向したと言えよう。

 ところで、民主党政権は日銀法改正などといった、日銀に対するおどしが功を奏したと内心ほくそえんでいることだろう。デフレ脱却の対策の1つとして財政の役割を否定する者はいない。だが、税収の2倍の歳出を毎年続けるという異常事態に対し、身を挺して阻止する者がいなければ、いずれ激しいインフレが始まる。ギリシャなど欧州の事態は容易ならぬものがあるが、日本にも危機の深化がみられる。

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コメント

戦時中父がなくなった。家には資産が潤沢にあり生活に困らないはずだった。戦後インフレにより貨幣価値が暴落。現在にすると1億ほどの貯金も数百万相当に。生活は困窮。土地を持っていた人たちは助かった。不動産バブルはそうしたトラウマから生まれたのかもしれない。

投稿: 本年定年退職 | 2012年8月16日 (木) 09時05分

インフレは、恐ろしい。経験者で無いと理解できないだろう。今日,買えても、明日、倍の、金を出さないと買えない。稼いでも、稼いでも、生活が、出来ない。
デフレも、つらいが。我慢すれば、生活ができる。
精神的に、デフレの方が、楽である。警告する。
インフレは、本当に、恐ろしいよ。
戦後の、インフレ経験者は、恐ろしさを、もっと、語れ。

投稿: まめ | 2012年8月16日 (木) 05時53分

デフレなんだからインフレ誘導当たり前

投稿: | 2012年8月16日 (木) 00時53分

この人頭悪いんじゃないの

投稿: | 2012年8月15日 (水) 09時35分

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