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2012年6月28日 (木)

抜本見直しが必要な生活保護制度

 週刊ダイヤモンドの6月30日号は「生活保護 3.7兆円が日本を蝕む」という特集を組んでいる。「働くよりもらい得!?」、「NPO・政治団体・病院‥‥受給者拡大で“潤う”面々」、「ほとんどのチェックが機能せず 不正の摘発は絶望的な状況」、「働いて脱するのはわずか2% 就労支援では就職後のケアが重要」、「(外国に比べーー引用者)高い給付水準と低過ぎる保護率(人口に対する受給者の割合) 世界で主流の広く薄い公的扶助」、「受給者増で財政逼迫が加速 ”悲観”で500万人、8.5兆円」などといった見出しが記事の内容を表している。

 これらの見出しから、現行の生活保護制度の抜本的な見直しが必要であることが読み取れるだろう。編集後記の「From Editors」は「現状の生活保護制度は穴だらけ。(中略)国によるセーフティネットへの不信は、間違いなく社会の活力を削いでいきます。」と述べているが、いまの制度ではそうなるのは必至である。

 横浜市などで不正受給の摘発に取り組み始めているが、国、地方自治体などの関係部門がきちんと連携し、効果的なチェック体制を構築することが求められる。生活保護費のおよそ半分を占める医療扶助費が増加の一途をたどっている背景には、生活保護者を食い物にする病院などが存在するといわれる。それらのいわゆる貧困ビジネスをのさばらしてはいけない。

 また、働くよりも生活保護を受けたほうが金銭的にも有利だという歪んだ制度を変えないといけない。その際、できるだけ多くの企業が脱生活保護に協力して、雇用の場を提供し、働く喜びが感じられるようにお手伝いしてほしい。

 20世紀までは、生活保護を受けるのは恥ずかしいという社会的な風潮があった。いまもそういう意識で受給申請しない人たちが少なくなさそう。しかし、一方で、隣近所との付き合いも乏しい都市住民が増えたりして、彼らは生活保護を受けることにためらいを感じなくなっている。雇用情勢の悪化に、そうした意識変化が加わって、受給者が増えてきている。問題は、フルタイム働くよりも生活保護を受けるほうが金銭的に得になっている点だ。加えて、不正受給が横行するようになったことである。

 生活保護に対する財政負担はすでに消費税の1.4%程度に相当する。生活保護受給者が急増すると、財政負担はさらに重くなる。野田政権は消費税引き上げに懸命だが、生活保護制度の改革にも目を向ける必要がある。生活保護を含む社会保障制度を、無駄のない効率的な仕組みにすることは財政破綻を避けるために絶対に欠かせない。

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