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2012年6月15日 (金)

日本に学んだ中国の途上国援助

 日本の途上国援助は援助、投資、貿易の相乗効果で当該国の経済発展に貢献してきたが、「新しい援助大国」である中国の対外援助の源流はこの日本のアジア型援助モデルにある。最近、法政大学名誉教授の下村恭民氏から、そんな話を聞いた。

 今世紀に入り、中国は途上国に対し、経済援助だけでなく、直接投資や貿易を通じた経済協力を急速に増やしている。いまの勢いだと、今後5年程度で日本に追いつき、世界第2位の援助大国になる可能性があるという。

 中国の途上国援助はアフリカ向けが多い。また、資源の乱開発や環境破壊を引き起こしたり、非民主的な独裁政権を支えたりするものもある。だが、援助の重点は水力発電所などの経済インフラと生産部門(製造業、資源開発など)への支援であり、相手国のニーズに対応しているという。加えて、中国の内政不干渉原則は途上国側に歓迎されているそうだ。

 中国の対外援助は相手国の自立をめざし、互恵関係を通じて自力更生を支援するという考え方に基づく。実は、そうした考え方に重要な示唆を与えたのは日本が行なった対中援助やASEAN援助だという。中国の研究者は、円借款など日本の対中援助・投資・貿易の三位一体が中国の経済開発や生活環境の改善に大きな役割を果たしたと評価しているそうだ。とともに、日本の援助は受け入れ国と供与国(日本)の双方にメリットがあるウインウインだとも指摘しているという。

 下村氏によると、日本の援助アプローチの有効性に関しては、国際社会は無論のこと日本国内においてさえ十分に理解されていないが、アジアにおけるインフラ建設を中心とする日本の援助効果が見直されているそうだ。日本の援助経験を過去の遺産とせず、アジア型援助モデルとして生かしていくべきだと氏は語っていた。

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