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2012年7月13日 (金)

外国人社員等から見た日本企業の本社

 グローバル化に対応した「あるべき本社の姿」というテーマで、日本企業の本社で働く中国人、米国人、ロシア人等が出席した座談会の記事を「月刊 グローバル経営」7・8月号で読んだ。比較的若い彼らが日本企業の経営をどう見ているか、読むと結構参考になるのでないか。

 「長時間労働をするよりも、結果を出すことを重視すべきだ」

 「終身雇用は良し悪しだ。終身雇用社員にとっては安定感は増すかもしれないが、危機感・切迫感が希薄になる分、全体的に生産性・効率性の減退を招く部分もあり、改善の余地は大きい。社員各自の職務分掌や人事上の評価基準の明確化も必要」

 「どちらが良いとは言い切れないが、特に大きな結果を出した個人を高く評価し、その結果に見合った報酬を与えることができなければ、グローバルに活躍する人材の確保が難しくなる」

 「日本の場合は本人の実力以上に人間関係が重視されるように感じている。また、意思決定の際には周囲との軋轢を避け、自分で結論を出していても、上司の意見との違いを慮ることで決定に時間を要し、問題が先送りされるなどの可能性もある。これは競争力や組織としての成長を阻害する要因になるかもしれない」

 「日本では、職場が家族や親戚の関係に近くなっており、対立を避け曖昧さに寛容になっている」

 「日本型決断方式は、組織にとって偏った決断になってしまう可能性は低く、リスクが軽減される。しかし、合意形成までに時間がかかるため、変化がめまぐるしくスピードが要求される現在のグローバルなビジネス環境においては競争に勝ちにくい」

 「上司が部下の仕事内容を十分把握することは必要だが、一方で、部下に権限を委譲し、現場で迅速な判断ができるようにすることも大事だ」

 「企業としても、同質人材の集団から異質人材の集団への変化が求められている」

 「日本独特の「あ・うんの呼吸」は、日本を知らない外国人にはほとんど通用しない。「あ・うんは無い」という前提で進めれば、海外でももっとうまくいくと思う」

 「経営方針などの重要な経営情報を海外に向けても積極的に発信し、現地社員とシェアすることも大事」

 「本社に外国人社員を増やすことで、日本本社の事情や経営の考え方を理解した外国人社員が増える。そうした外国人社員と彼ら自身の出身国にある支社・法人の現地社員との接点を増やし、本社の考え方や経営方針などの情報を彼ら自身の声で伝えることで情報の信頼性が高まり、現地の士気も高まると思う」

 日本企業のグローバル化で、以上の指摘をすでにクリアしている企業もあれば、そこまで行っていない企業もあるだろう。また、指摘された内容によっては、日本型企業経営の長所だとみなし、改める必要がないという見解もあると思う。これらを含めて、今後の日本経済を考えるうえで参考になる。

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