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2012年7月10日 (火)

国の「債務管理リポート2012」に表われた危機

 平成23年度末の国の債務は、国債、借入金および政府保証債務現在高合計で1004兆円と大台に乗せた。財務省が発表した「債務管理リポート2012」は、日本の国家財政が一段と深刻化したことを示している。国民1人当たり800万円近い借金をしている勘定になる。

 国の資産・負債の差額も417兆円のマイナスになっている。前年に比べ45兆円もマイナスが増えている。

 債務残高の対GDP比を国際比較すると、日本は断トツの219%で、先進国で次にひどいのはイタリアの128%である。純債務残高の対GDP比でも、日本は135%と、2位のイタリアの101%を大きく上回る。

 普通国債残高の加重平均利率は1.24%と過去、最も低い。平均利子率が低いので、国債費負担が相対的に軽い。それゆえ安易に国債発行を増やしてきたとも言える。

 日本国債の保有者の内訳(平成23年末)を見ると、家計はわずか3.8%しか直接に保有していないが、市中金融機関は67.6%と全体の3分の2を保有している。そのうち、銀行等(ゆうちょ銀行を含む)が36.3%、生損保等(かんぽ生命を含む)が22.4%などとなっている。

 また、日本銀行が9.0%保有しているほか、公的年金が9.2%、年金基金が3.8%持っている。一方、海外投資家による保有は6.7%にすぎない。

 国債の相場が大幅に下落すると、金融機関や年金が大きな損失を抱えることになる。その結果、金融機関が相次いで破綻するおそれがある。取り付けをおそれて、国が直接、救済資金を投入しようとしても、国債相場が崩落していてはどうにもできまい。代わりに、日銀が救済融資に乗り出すことになるだろう。その先はインフレである。年金制度もインフレでがたがたになる。日本経済の混乱と衰退は避けられない。

 民主党政権になってからの国債残高の増え方は著しい。ここらで社会保障制度をはじめとする財政支出の見直しによる効率化と削減に真剣に取り組むことが重要な課題である。増税しても、それが放漫財政に流れていっては財政再建につながらない。

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