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2012年8月11日 (土)

消費税が上がるのは1年半以上も先のことだ

 野田政権が民主党、自民党、公明党の3党合意によって一体改革法成立にこぎつけた。「決める政治」がなんとかここまで来たことは、慶賀のいたりだ。新聞には、財政再建へ一歩踏み出したと評価する記事とともに、消費税引き上げで家庭や中小企業などにマイナスの影響が出るという大きな記事が載っている。

 しかし、実際に消費税がまず8%に上がるのは2014年4月。いまから1年7ヵ月余も先のことである。記事を読むと、あたかもすぐ上がるような気分にさせられる。それに、経済情勢が悪化すれば、引き上げは実施されない公算が大だ。むしろ心配は、14年の実施以前に、安心して財政の放漫が始まることだ。すでに、一体改革法に賛同した自民党や公明党は公共事業の大盤振る舞いを唱えている。民主党が選挙を意識して、それに同調するようなことになると、財政危機が深刻化する恐れすらある。

 消費増税は日本経済の新たな一歩であるが、主要な政党が財政の持続可能性確保に本気で取り組むことなく、旧来型の政策をとったりすると、国民の政治離れが進む。いまこそ旧来の政党とは離れたところから新たな政治改革の動きが出てくることが期待される。

 民主党政権が多くの離党者が出たにもかかわらず、マニフェストにない消費税増税を強引に推進せざるをえなかったのは、何とも奇妙な話だが、その根本的な原因は、そもそも政権をとるにいたった民主党の基本的な主張や政策が整合性に欠け、かつ現実離れしていたところにある。その矛盾が露呈しただけだ。民主党は今後四分五裂が必至と思わざるをえない。

 民主党が第一党になったのは、永年、政権の座を握りしめていた自民党の腐敗堕落に国民が愛想をつかしたからである。自民党よりはましだろうという程度の支持だった。その消極的支持の意味を民主党は誤解し、ばらまき政策に走った。年度の財政赤字が一挙にふくらみ、財政再建どころか財政危機に拍車をかけた。野田民主党政権が消費増税に奔走せざるをえなかったのはそのせいでもある。

 財政健全化には増税、歳出の大幅見直し・カット、経済成長による税収増が求められる。今回決まったのは、そのうちの消費税増税だけ。それも1年半以上先だ。消費税以外に、相続税の強化や消費税の”益税”是正など、税の分野で改めるべきところがいろいろある。社会保障制度では年金や医療、生活保護制度などにかなりの歪みがあり、歳出合理化が必要である。そして経済成長には既得権益を守っている規制の緩和・撤廃が欠かせない。

 そうした宿題に対して、野田政権が決める政治を貫けば、おのずから支持率は上向こう。自民党などにしても、足を引っ張るばかりでは支持率は上がらない。国民の政治に対する愛想づかしは絶対にまずい。

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