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2012年8月29日 (水)

野田首相への問責決議と解散しか頭にない自民党

 参議院では29日、野田首相に対する問責決議が成立した。野党7会派が出していた問責決議案に自民党が相乗りして過半数を占めたわけである。

 消費増税にからんで、野田首相の「近いうちに国民に信を問う」との言明で民主、自民、公明の3党の合意が成立したのは今月8日。あれから1ヵ月も経っていないのに、自民党は野田首相が解散を言い出さないのにしびれを切らし、問責決議の成立を最優先した。

 自民党が相乗りした野党7会派の問責決議案はそもそも消費増税を非難している内容だった。したがって消費増税に賛成して法律を通した自民党が、いまになって野党7会派の問責決議案に賛成したというのは支離滅裂もいいところだ。棄権した公明党のほうが筋が通っている。

 自民党は1日でも早く衆議院を解散に追い込むという意向らしい。党内の有力者たちもいま解散して総選挙を行えば、再び政権の座に戻ることができるという思惑で一致しているようだ。しかし、自民党のお偉方は、いま総選挙をやれば復権できると本当に思っているのだろうか。彼らはいまも天動説を信じていて、野党になってからの3年間、何も学ばなかったのではなかろうか。

 いま、日本をめぐる内外の情勢はまことに厳しい。尖閣諸島に関して中国と、竹島に関しては韓国と、北方領土についてはロシアと、険しい外交関係にある。円高で国内の輸出関連産業・企業は縮小に追い込まれ、人員整理などが相次いでいる。フクシマ後の国内電力供給に関しては、原発依存度をゼロにすべきとの世論も強く、それが日本経済の競争力確保にどう響くかが不透明である。TPP(環太平洋経済連携協定)を含め、日本経済・社会がどういう発展経路をめざすべきか、視界不良の状態が続いている。社会保障政策も同様で、政治のリーダーシップは皆無に等しい。

 政治学者の北岡伸一氏が言うように、「日本政治は崩壊の瀬戸際まで来ている」。そんなときに、国会や政治がもっぱら政党間や政党内での足の引っ張り合いをしているのはとんでもないことだ。

 政権政党の民主党は分裂し、いまも内部抗争を続けている。自民党には、なぜ政権を失ったかの反省がほとんどない。そして、いまも自民党は既得権益擁護の発想から抜け出ていない。したがって、解散総選挙になれば、民主党も大敗北を喫するだろうが、自民党も当選者数が思惑を大きく下回ると思われる。そうした国会・政治への不信は、大阪維新の会がキャスティングボートを握るような状況を招く可能性がかなりあるように思う。

 国家の危機をどう克服したらいいのか。政治の危機をどう改めるべきか。メディアも客観報道に傾斜していて、国民に日本のめざすべき進路を考えさせるという役割を果たしていない。日本の病(やまい)は深刻である。

 

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