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2012年8月17日 (金)

民間給与実態調査が示す民間企業・労働者の厳しい事情

 8月8日に人事院が発表した「職員の給与に関する報告」には、「平成24年職種別民間給与実態調査」が資料として添えられている。調査結果の詳細は10月に発表されるが、その概要が紹介されている。それを読むと、ことし4月の調査で、いまの民間事業所およびそこで働く労働者が厳しい労働経済事情のもとにあることがデータとして示されている。

 ベースアップの慣行がない事業所は70.1%。ベアの慣行がある事業所の半分強がベア中止。ベースダウンの事業所がごくわずかだがある。役職が係員のケースで、定期昇給制度のある事業所は86.2%だが、その中で定昇中止になったのは5.2%ポイントある。

 民間における雇用調整は、採用の停止・抑制をした事業所が12.2%、残業規制が7.3%、部門の整理閉鎖・部門間の配転3.6%、一時帰休・休業3.4%、賃金カット3.1%、業務の外部委託・一部職種の派遣社員等への転換2.4%、希望退職者の募集2.1%、転籍1.6%(複数回答)などさまざま。それでも、平成23年調査結果よりは全般に少ない。

 新規学卒者の採用の有無をみると、大学卒の採用ありという事業所は39.6%にすぎない。事業所の規模が500人以上の事業所だと64.8%が採用ありで、事業所の規模が小さいほど採用なしが多い。

 採用ありの事業所の初任給をみると、据え置きが90.5%。増額したのは8.1%の事業所のみで、減額した事業所もわずかだが1.4%ある。

 賃金カット等の状況を係員段階でみると、事業所の3.0%が実施しており、平均の減額率は6.6%である。これが課長級だと、事業所の3.6%が実施し、減額率は7.3%に達する。

 また、民間における住宅手当の支給状況をみると、支給している事業所は約半分の51.2%である。残りの事業所は住宅手当そのものがない。

 月間45時間を超え60時間を超えない時間外労働の割増賃金率も示されている。最低の25%増にとどまる事業所は70.6%に及ぶ。30%の割増を適用している事業所は19.5%である。31%以上の割増となると、7.5%の事業所しかない。もっとも、従業員の比率だと、30%以上の割増が適用される従業員は49.1%とほぼ半分近い。

 人事院は調査結果を国家公務員の給与等の労働条件に反映するという建て前で実施されてきた。それはさておき、民間企業および労働者の労働事情を知るうえで調査結果は参考になる。

 

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