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2012年8月 2日 (木)

キャッチフレーズだらけで中身の乏しい「日本再生戦略」

 野田内閣が先月31日に閣議決定した『日本再生戦略~フロンティアを拓き、「共創の国」へ~』にざっと目を通した。2020年を目標に、エネルギー・環境、医療・福祉、農林水産業、それに中小企業の発展を柱に名目3%、実質2%の経済成長を目論んでいる。

 総論を読んでいたら、歯が浮くようなきれいごとばかり書き連ねていて胸くそが悪くなった。『1.フロンティア国家として』では、『誰もが「夢と誇りを持てる国」を実現すること』、『直面する幾多の困難を、むしろ日本にとってのフロンティアとして捉え、(中略)世界に範を示す社会を築いていくことが「日本再生戦略」の目指す目標である』と。

 また、『2.フロンティアを拓き、「共創の国」づくりを』では、『社会全体の幅広い人々が恩恵を享受できるような「インクルーシブな成長」でなくてはならない』、『社会の多様な主体が、現在使っている、あるいは眠らせている能力や資源を最大限に発揮し、創造的結合によって新たな価値を「共に創る」ことが必要である』、『「共創の国」は、すべての人に「居場所」と「出番」があり、全員参加、生涯現役で、各々が「新しい公共」の担い手となる社会である。そして分厚い中間層が復活した社会である』、『「共創の国」は地方分権、地域主権国家である』と。

 『「日本再生戦略」の実行に当たって』では、社会保障制度との関係について、『一体改革の着実な実施とともに、「日本再生戦略」によって成長を実現することが収支面から社会保障制度の持続可能性を支えることになる』と。また財政との関係では『「日本再生戦略」が成果を挙げることによって経済成長と財政健全化を両立することが、社会保障制度の持続可能性を高め、予算の弾力化にも資する』と述べている。

 しかし、再生戦略の中身は、霞が関の各省から出された政策(?)を並べただけに等しい。横串をさしたものにはほど遠いと言わざるをえない。民主党の閣僚らが政策づくりの能力を欠いていることの反映だろう。

 「日本再生戦略」と予算編成との関係については、『社会保障分野を含め、聖域を設けずに歳出全般を見直す』と言及してはいる。だが、どうやって歳出削減を図るか、具体的な言及はない。

 各省からの政策(?)のほとんどは新たな歳出を伴う。要するに、財務省以外の官庁は、基本的に縦割りで、カネを使う政策しか頭にないのである。財政破綻のリスクが高まっているのに、それに真っ向から立ち向かうことなく、官僚の作文にすぎない「日本再生戦略」によって日本の再生を求めるのは明らかに政治の敗北である。

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