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2012年9月 6日 (木)

縦割り行政のせいでやっと今頃、金融商品総合取引所が実現へ

 改正金融商品取引法が6日、衆議院で可決。参議院先議なので、同法は成立した。さまざまな金融商品を扱う総合取引所がこれでやっと日本にも誕生する。

 日本では第二次世界大戦後、証券取引および証券会社は大蔵省が証券取引法に基づいて所管。商品先物取引は農産品が農林水産省、工業品は経済産業省が所管、法律は商品取引所法一本で農水、経産両省が共同で所管した。取引所もそれぞれ各省が所管した。また、遅れて金融先物が登場したため、財務省(金融庁)が金融先物取引所の設立を認め、所管するようになった。当然、取引所は各省の大物OBの天下り先となっていた。

 しかし、これらの取引はいずれも金融商品の現物取引ないし先物取引という範疇に属している。このため、投資・運用のグローバル化、情報化や金融派生商品の拡大につれて、取引所や業務の垣根を取り払い、スケールメリットを生かすほうが望ましいとして、主要国では規制・監督の一元化を図り、取引所の合併統合などがおこなわれてきた。

 遅ればせながら、日本も、21世紀に入って証券取引法、商品取引所法などを一本化し、金融商品取引法を設けたが、規制・監督の権限は各省が手放すことに抵抗。2009年の法改正でも、持ち株会社方式で証券、商品などのそれぞれの規制・監督の権限を各省が持ち続けるという中途半端な制度改革に終わっている。

 しかし、世界の潮流に乗り遅れているため、金融取引の分野における日本のウエートは下がる一方。商品先物では、東京穀物取引所が行き詰まり、商品取引業者があいついで破たんないし撤退している。株式取引においても、東証と大証との統合が予定されている。

 このように世界に立ち遅れている日本の金融分野のビジネスをテコ入れしようというのが今度の金融商品取引法の改正である。監督官庁もようやく金融庁に一本化された。中央官庁の縦割り行政の弊害などで競争力を失ってきた日本が立ち直れるか、1周か2周遅れを挽回できるか、疑わしいが、事実上、機能停止に近い国会が6日にこの法改正を実現したことは救いである。

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