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2012年9月13日 (木)

財政危機なんてどこ吹く風といった政府予算要求

 12日に発表された政府の2013年度一般会計予算の概算要求は98兆8億円。新年度から特別会計(東日本大震災復興特別会計)に移った大震災復興予算を足すと101兆5425億円になるという。税収が40兆円台と見込まれるのに、概算要求だとはいえ、予算規模が税収の2倍強にもなるというのは、常軌を逸しているように思える。

 民主党政権になってから一段と財政危機が深刻になっている。野田政権は消費増税と並行して歳出のムダを厳しく削るべきだが、13年度予算の作成過程においては、そうした財政再建の具体的な動きは全然と言ってもいいほどない。財務大臣はじめ政治家は財務省の言いなりになっているようだが、官僚中の官僚である財務官僚も天下国家を支えるエリート意識を失ったままとみえる。

 先日、テレビのNHKスペシャル「追跡! 復興予算19兆円」(9日)人は、中央官庁が東北の被災地復興とは何の関係もない事業に復興予算と銘打っている実態を暴き出した。NHKが調べただけでも2兆円を超える予算が東北の復興とは直接関係がないという。そして、そうした歳出について問われた中央官庁の課長らはそろってもっともらしい言い逃れをしていた。これこそ厚顔無恥と言うのだろう。

 原田泰氏が震災復興の名を借りて巨額の財政支出をしていると批判していることを8月18日のこのブログで紹介した。同氏によれば、被災者を直接助けるなら4兆円ですむ、個人財産を政府の費用負担で復旧するとしても6兆円ですむという。19兆円から23兆円と言われる復興費なるものは、震災復興以外の目的に充てられるものがたくさん含まれていると指摘している。NHKの番組はそれを裏付ける内容だった。

 朝日新聞の9月13日付け朝刊一面は「復興予算、転用の恐れ―概算要求101兆5425億円」という見出し。下には「再生エネ枠で道路」という見出しもあった。しかし、すでに2011年度補正予算や2012年度予算において、復興予算の名目のもとに、ほかの歳出を潜り込ませたことは確かだ。それを予算要求する役所も、また予算を査定する財務省も知って通したのだろう。そこまで腐敗しているのである。

 このように、事態が相当深刻なのに、民主党、自民党の総裁選で、果たして争点になるのやら。日本の政治のゆくえが心配でならない。

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