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2012年9月24日 (月)

領土問題で改めて思うこと

 尖閣諸島をめぐる中国の対日姿勢は厳しさを増している。韓国も竹島への支配を一層強固なものにしようとしている。両国政府とも、国民をより一層、反日に駆り立てるような動きをみせている。中国との関係も韓国との関係も、戦後最悪になりそうだ。

 中国は尖閣諸島について、2年ほど前から国の中核利益(コア・インタレスト)に含まれるという考えを打ち出していた。最初は軍部がそう言い出し、文官はそうではないと言っていたが、その後、次第にコア・インタレスト論が強まり、いまや、軍部も政府もコア・インタレスト論一色になっている。その流れからみると、中国は、日本政府が紛争を回避するために個人地主から尖閣の土地を買うという説明には全く耳を貸さず、尖閣から日本を追い出し、中国の領土にしてしまう格好の機会だと思っているようにみえる。

 もしも尖閣が日米安全保障条約の対象でなかったら、中国は大量の漁船を送り込み、何人かの漁民を島に上陸させるのではないか。そして漁民の保護を名目に公船を次々に島に派遣し、たちまち島内に構築物をつくってしまおうとするのではないか、と指摘する向きもある。南沙諸島を中国が強引に実効支配した手口がそうだったといわれる。チベットなどをめぐる中国の侵略的な行動は、欧米がかつてやっていた帝国主義的な領土・資源の支配・拡張の道と同様にみえる。

 これまで、日中関係は危うい局面に陥ることがあっても、政経分離とか政府間対立と民間交流は別だという理由で、極端な対立を避ける抑制が働いていた。だが、今回は、文化交流だろうと、地域交流だろうと、中国のほうから、どんどんストップしている。また、日本系の企業・事業活動に対する破壊・略奪活動を黙認したり、従業員が反日で社内デモをするとか、会社を敵対視するような活動をする事態まで起きている。もちろん、それらは全体からみればごく一部にすぎないが、中国の共産党や政府が反日行動を扇動し、あからさまに日本攻撃を展開しているさまは異様である。

 党大会が間近であり、党内の権力抗争が激しいから、日本に厳しく出ざるをえないとか、いろいろ解釈はある。また、国内の貧富の格差や支配層の極端な腐敗などで、貧困層の怒りが鬱積しており、それが党や政府に向けられないように、日本を攻撃対象にしているという解釈もある。いずれも真実をうがっているように思う。それに加え、中国は経済力で日本に追い付き、追い越したという自信から、日本に遠慮する必要はない、と思っているふしもある。

 しかし、次期主席と目される指導者が「日本軍国主義」などと言っているように、隣国の日本さえもまともに認識できないというのは、世界の今後にとって大きな懸念材料である。

 それはさておき、中国が日本と友好関係を持続的に保てない理由として、中国の反日教育が指摘される。だが、中国はなぜ、いまにいたるも反日教育、反日映画・テレビドラマなどをせっせと続けているのだろうか。それは韓国の反日教育についても言える。中、韓とも、支配層が国民に責められそうなときに、批判の矢を日本へとそらすという面もあるが、アジアの中で先に豊かになった日本へのねたみもあるような気がする。もし、植民地支配を受けなければ、日本よりも豊かになっていたはずだという憤懣が感じられないではない。

 ひるがえって、日本では大陸を侵略した反省を教育に採り入れているだろうか。ドイツはナチスに責任を負わせる形にせよ、小学校などで侵略戦争への反省を教え込んでいる。昼食を食べているときに、侵略の歴史を映像で見せていたという話も聞く。日本は明治維新までぐらいは学校で教えるが、大陸侵略などの歴史をほとんど教えていない。日本はアジア侵略の背景をきちんと押さえた明治以降の歴史をまともに教える教育が必要だろう。経済援助、つまりカネですませ、戦争責任に対してまともに向き合ってこなかったことをいまこそ反省すべきではないかと思う。中、韓と日本は歴史教育においてどちらも極端であり、今後のためには、その是正が必要不可欠である。

 いまの中国の指導層にしても、韓国の指導層にしても、あるいは日本の指導層も、国民の平和・安全や豊かな生活、あるいは近隣諸国との友好関係を国民に提供する態勢を築きえていない。だから、もっと指導層が賢くなり、お互いに補い合い、助け合うことが求められている。

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