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2012年10月 4日 (木)

会計検査院の指摘が目立つ

 最近の主要紙は会計検査院の検査結果・指摘をひんぱんに記事にしている。国の財政規模が膨らみ、借金を意味する国債の発行残高が急速に増えていっているだけに、歳出のムダづかいなど放漫財政を指摘する会計検査院の存在意義は大きい。

 ただ、会計検査院が行うチェックの対象は国全体の歳出のごくごく一部にとどまる。もしも、国の歳出すべてを毎年チェックできたら、膨大な金額が不適正な歳出として槍玉にあがるだろうが。

 会計検査院が指摘するのは、過去の予算・歳出が法や目的に照らして適正であったかを問うものである。予算獲得には各省庁や特殊法人などは懸命になるが、獲った予算を適正かつ効果的に使うか、使ったかにはあまり関心がない。そもそも、省庁内に予算の執行が適正か否かを第三者的にチェックするという内部監査の仕組みや問題意識が欠如している。このため、むだづかいや不正支出などが起きやすい。それに、各省庁には、検査院の指摘があっても、担当者の責任を問い、きびしく処罰をするという姿勢がうかがえない。検査院の仕事は賽の河原の石積みに似たところがないではない。

 たくさん予算をとることが勲章になる省庁のむだづかい体質は戦前から変わらず続いている。民主党の”政治主導”は、そういう日本の政治の欠陥を是正することが期待されたのだが、3年間の民主党政権は成果ゼロに等しい。

 いずれ衆議院解散、総選挙となり、新しい政権が誕生するが、財政健全化に真っ向から取り組む政治を進めてほしい。経済成長を優先し、税収が増えれば、財政再建ができる、というシナリオは、それが本当にできれば万々歳だが、実際には、財政破たんや猛烈なインフレをもたらすリスクが大きい。

 社会保障予算が一般歳出の中で突出して大きく、しかも毎年、相当に増えている。地方交付税交付金は地方自治体の放漫財政のしりぬぐいに終始したりしている。そうした財政のありかたを放置するのは、責任ある政権運営とは言えない。

 西欧のユーロ危機、財政危機を他山の石として、日本は財政健全化に向けて大きく一歩を踏み出す必要がある。安全保障や原発問題なども抱え、方向感覚さえ失って漂流する日本政治の大転換が急がれる。その前提として、危機に対する国民の自覚が求められている。

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