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2012年10月29日 (月)

“男の長時間労働をやめるべし”

 日産自動車の相談役名誉会長、小枝至氏が「経営者による出張授業」で、8月に釜石商工高校で話した要旨が経済同友会の会報「経済同友」10月号に載っている。その中で男性の長時間労働をやめるべきだという持論を展開している。

 日本の人口が急速に減って生産年齢人口も減少していくが、家事・育児を担う主婦層が仕事を辞めずに働き続ければ、生産年齢人口は減らないはず。そこで育休・産休制度や保育所の充実が少しずつ進んでいる。しかし、それ以上に大切なのは、男性の長時間労働をやめることだと小枝氏は提案している。人々の考え方を変える必要があるから、実現は容易ではないが、長時間労働をやめるべきだという氏の主張には全く同感だ。

 会報によると、そのための方法は1つには、必要性の高い仕事から手がけていき、終業時間がきたら、スパッと仕事をやめること。もう1つは、残業で長時間になっている男性の「労働時間を3分の2にすることだという。その結果、男性の給料も大まかに言って3分の2になるが、その分、妻が働けば、世帯としての総収入は増える。時間もできるので、育児も交代してできる。したがって、男性は結婚したかったら“イクメン”になるしかないと男子高校生に呼びかけた。

 以下は私の意見だが、日本の企業社会は正社員をベースとした長期雇用であり、解雇規制も強い。このため、企業は残業時間を相当に織り込んだ長時間労働を平時の勤務体制とし、不景気になれば、残業時間を減らすようにしている。労働組合も36協定で週40時間の基準をはるかに超える長時間労働を受け入れている。割増賃金の付く残業を喜ぶ人も多い。

 しかし、長時間労働のもとでは、結婚しても男性は家事や育児などを行なう時間的な余裕が乏しい。また、女性が働きながら育児をするのはかなりの負担である。結果として、結婚しないとか、結婚しても子供を生まない、という少子化を招いている。

 そればかりではない。欧米と違って、長時間労働が常態化している職場では、育児などのハンデを持つ女性が活躍する場は限られる。女性がもっと働きやすい、かつグローバル化に合わせて多様性のある働き方ができる職場をつくるためにも、長時間労働を解消することは不可欠である。

 

 

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