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2012年10月19日 (金)

テレビの報道娯楽番組を見て

 珍しく昼間に民放テレビの長い報道娯楽番組を見た。その中で特例国債(赤字国債)発行法案が国会で成立していない問題を取り上げていた。

 国の歳入の4割が赤字国債で賄われている。それなのに、毎年、国会で承認しないと発行できない。11月にも国庫のカネがなくなり、地方自治体への交付金が交付されないと、住民に対する行政サービスが止まる。アンケートをとったら、道府県は皆、怒っている。一時的に自治体がそれぞれ資金を調達すると、金利がかかり、その金利分の負担は税金で賄うことになり、最終的には国民の負担になる。だから、赤字国債発行法案を早く国会で通すべきだ、というのが全体のトーンである。赤字国債を発行するのに、毎年、国会で法案を通しているなんて知らなかったという出演者もいた。

 この番組を見ていて、とても気になったのは、なぜ、赤字国債の発行が本来認められていないのか、そうした性格の赤字国債が歳入の4割も占めているのはどういうことか、という基本的な問題点が取り上げられなかったことである。出演者の誰も赤字国債の大量発行・依存に対して疑問を呈しなかった。大手メディアの編集幹部も出演していたが、与野党の政争には関心を抱いていても、日本の直面している財政再建には興味はなさそうだった。

 また、都道府県は交付税をもらうことを前提に歳出、歳入を組んでいる。いまの地方財政は交付税によって霞が関にコントロールされていると同時に、国のコントロールに甘える面も強い。財政健全化への取り組みもあまい。主体性にとぼしく、地域主権の実現をめざす志からほど遠いと言わざるをえない。放送番組は、そうした問題点を抜きに、地方自治体が困っているということで、赤字国債発行法案を早く成立させるようにという結論にもっていった。

 いまの日本財政は、現在の国民が使っているカネの半分しか負担せず、残りの半分は将来世代に負担をつけ回ししている。緊縮財政の一方でばらまきをしている。そういう極端な財政構造をこれからも続ければ、歪みがいずれ財政破たんなり、猛烈なインフレとなってその時点の日本国民を襲うことは確実である。ただ、東南海地震などの巨大地震のように、それがいつ起きるか予測することができないだけである。

 メディアはそうした危機について国民を啓蒙し、その時に備えるよう訴える役目があるはずだ。

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