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2012年12月19日 (水)

安倍新政権への懸念と、城島財務相の注文

 総選挙の結果についてのメディアや専門家の指摘はさておいて、個人的な感想を記すと――

 自民党の獲得議席数は多過ぎ。小選挙区制では、こうした結果になりやすい。絶対的に良い選挙制度というものはないのだから、小選挙区制を前提に、自民党は次の総選挙でも勝ち続けるために善政を行なうことを心がけてほしい。民主党は党綱領などをきちんと詰め、自民党に代われる主要政党に発展していってほしい。

 ところで、安倍自民党総裁(次期総理大臣に就こう)は力み過ぎの感じがする。潰瘍性大腸炎に特効薬ができたため、安倍さんは再び総理大臣に就くことができるが、この特効薬には副作用があるといううわさを聞いた。いわゆるハイ(躁)になるという。そういう色メガネで見ると、さもありなんとも思う。

 安倍さんがまず、デフレ脱却など経済対策に重点を置くというのはいい。しかし、デフレ脱却と経済成長のために、日銀の政策を変えさせることと、巨額の補正予算を早急に組むということについては、学者・エコノミストの間に対立した見解がある。強い成長志向および公共事業重視というのは、かつての自民党そのままである。自民党は変わったと安倍さんは言うが、どこが変わったのだろうか。何が変わったのだろうかと思う。麻生副総理兼財務相なんて冗談でしょう、お友達内閣をつくるつもりかと言いたい。

 城島財務相は落選が決まったあとの18日の記者会見で、次のように言っている。次期政権に対して、「財政規律というものをぎりぎり意識し、守りながらの金融政策、経済対策を求めたい」、「ゆめゆめそこをないがしろにしたような景気対策であってほしくない」、「規制緩和や、財政に頼らない景気対策というのもかなり真剣に検討してきているので、そういったことも合わせ技の中で下振れを回避することもやってほしい」と。

 民主党政権のもとでも財政健全化どころか財政悪化が進行した。それ以上に、自民党は財政破綻など念頭にもなさそうな大盤振る舞いを行なうようだ。それに対して日銀はどう動くだろうか。1%の物価上昇というターゲットを安倍新政権の要求に応じて2%に引き上げるのだろうか。新しい政権に注文をつけられたからといって、日銀が簡単に宗旨変えするようなら、日銀の首脳陣は物価の番人にもあたらない。単なるサラリーマン根性の持ち主にすぎないだろう。

 1990年代以降、自民党政権は、景気が悪かろうと回復しようと、国債依存の経済運営をしてきた。小泉政権のように財政健全化をめざすときもあったが、多くは安易な借金財政だった。それが民主党政権にも引き継がれ、今度、また、自民党は財政危機なんぞないような放漫財政に乗り出しそうな気配だ。一時的には株価も上がり、円安で輸出産業は一息つけるだろうが、規制の撤廃・緩和や財政の効率化、さらには既得権の打破など、本質的な改革に手を付けないと、脆弱な日本の経済・社会は衰退の一途をたどりかねない。安倍政権はそうした危険な道を歩もうとしているのではないか。 

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