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2012年12月16日 (日)

働く人を人として見ること

 日本の働く女性の中で、私が最も尊敬する西水美恵子さん(元世界銀行副総裁)が16日付け朝日新聞朝刊広告欄におけるインタビュー「仕事力 本気になりませんか? ❹」で、以下のような発言をしている――

 「合理的に、仕事の能力だけを提供させる組織は、人を幸せにできず、最終的には仕事の能率を下げる。」、「組織を率いるなら、社員だけ見ていては落第で、見る単位は社員とその家族なのです。」

 「会社は利益をあげる箱だと考えるのではなく、一緒に働く社員を始め、下請けさんや、問屋さん、運送屋さんなど関係のあるあらゆる会社とその社員を人として見るのです。管理職の人間がその視点を持つと、必ず部下が変わり、組織の大飛躍が始まる。」

 「誰もが幸せに仕事をできるように、組織のトップを始め全ての管理職は、社員とその家族への思いやりを、行動で見せるべきですね。」、「仕事は、あらゆる人間の幸せのためにある。その素朴な真実に本気であって欲しいと願います。」――

 ここで、当然、フクシマで働く労働者が思い浮かぶ。そんな理想的なことを言っていられないよ、という反論が聞こえてきそうだが、現代の日本社会の歪み、軋みは、西水さんが指摘する「人として見る」ことが、いかんせんできなくなっているからだろう。

 きょうの衆議院議員選挙の投票率は低いまま終わりそうだが、それも、この国をいまの政党や立候補者に任せても、国民の望む幸せが実現しそうにないという一部の人々のあきらめを映しているのかもしれない。

 ところで、先週、山田洋次監督が小津安二郎へのオマージュとして制作した映画「東京家族」を試写会で見た。私の解釈だと、「東京物語」のリメーク版である。この作品でも、老親が子供たちの暮らす東京にやってきて、身の置き所がないような感じになっていく。息子や娘の暮らしは仕事に追われ、時間に追われている。共同体的な絆、支え合いやゆとりを失った都会の競争社会が浮き彫りになる。

 選挙運動を見ても、政治には、そうした現代社会が抱える病理に対する問題意識はうかがえなかった。残念ながら。

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