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2012年12月11日 (火)

旅の思い出3つ

 最近、ちょっとした旅行に出かけた。その断片的な感想を――

・安川電機のロボット組立工場を見学した。組み立てを行なうロボット、塗装を行なうロボット…というように、ロボットはいろいろ人の手に代わって作業する。見学した組み立て工場では、ロボットが重いものを持って振り回し続ける耐久テストの工程があった。10台以上のロボットが皆、同じような運動をしているが、獣がいっせいにヒューンヒューンと鳴いているような音がしていた。機械が音を立てるのは珍しくもないが、あたかも鳴いているように聞こえるのは初めての経験だった。

 ロボットが人間の手のように自在に動いて作業できるようになったのは近年のことらしい。工場では、2台のロボットが連携して加工・組み立ての作業を行なう実演も見た。また、ロボットのカメラ部分が被工作物の位置をきちんと見極めるために接近するさまは、あたかも人間がのぞくようなしぐさとそっくりの感じがした。工場の玄関口には、太鼓をたたくロボットが展示してあり、実際に2台のロボットが巧みに1台の太鼓を向き合って打ち鳴らす実演をしてくれた。

 中国の習近平総書記が来日したときに、唯一寄った工場だといわれる。それだけ、最新の技術がこの工場にはあるということだろう。

・TOTOの本社工場で便器やウオッシュレットの陶器の部分の製造工程を見学した。陶土などを練って形をつくり、1日かけて焼き上がると、縮んで完成品になる。しかし、不良率は5~10%あるという。厳しい検査で、我々のような素人が見てもわからない、ちょっとした不良個所でもアウトの判定がくだるらしい。

 TOTO歴史資料館も見学したが、そこでもらった『TOTO 語り継いでいきたい「先人の言葉」』の中に、「1個の不良(品)でも、そのユーザーには100パーセント」という第5代社長、江副孫右衛門の言葉がある。

 初代社長の大倉和親は第2代社長に送った書簡の中で、「良品の供給、需要家の満足が掴むべき実体です。此の実体を握り得れば利益・報酬として影が映ります。」と言っている。

 確かに、TOTOの「先人の言葉」は含蓄があり、読むに値する。ただ、時代が下るにつれて、社長の言葉も多様化している。競争が熾烈化し、それに伴い、社員への要求も厳しくなっている。でも、創業の精神は不良品率に見るように生きているのだと思った。

・安芸の宮島にある厳島神社を初めて訪れた。平の清盛、豊臣秀吉ら歴史上の大人物の足跡が残っているのに、一度も行く機会がなかったから、旅のスケジュールに入れた。神社に着いて、その中心部から大鳥居を見たとき、そのはるか向こうに奇妙な格好をした白っぽい建物があるのが目に入った。これは異なものである。どう見ても厳島神社と大鳥居との直線上に意識的に造った建物としか思えない。

 ネットで調べたら、新興宗教の建物だという。国宝の価値をあのような形で下げる行為を許してしまったことを残念に思う。歴史的建造物の景観を妨げる建造物を簡単に認めない社会に日本が進化することがとても大事なことだと思う。それが先進国であろう。

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