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2013年1月30日 (水)

2013年度国家予算案の危うさ

 政府は2013年度一般会計予算案などを29日の閣議で決めた。デフレ脱却と財政健全化とを両立させる予算づくりを望んでいたが、後者の財政健全化はほとんど採り入れられていない。

 消費税の引き上げが実施されていないのに、あたかも消費税アップによる税収増があるかのような気分で組まれたのが13年度予算案である。2012年度補正予算案で公共事業などの大盤振る舞いをしているので、この補正予算と13年度本予算とを合わせると、100兆円をはるかに超える歳出規模になる。しかし、そうした手管を弄しても、税収のほうは増えるわけではないから、ツケの国債発行残高はさらに大きく膨らむ。

 歳出のムダ除去や効率化は生活保護費の一部削減や、地方公務員給与カットに伴う地方交付税交付金の削減を織り込んだ。そこは評価する。しかし、一過性の経済効果しかない公共事業を増やしたのは自民党の利権体質を表しており、歳出削減とはおよそ正反対の行為である。そして、医療・介護などの過剰な給付などに対しては、全く手をつけていない。既得権への切り込みは抵抗が強いため簡単には進まないということは百も承知したうえで言うのだが、財政再建は、既得権カットの痛みを引き受けてもらうことによってしかこの国には明るい展望は開けない、ということを国民に説得することから始まる。安倍首相がそれを理解していないとしたら、アベノミクスは亡国の政策に等しい。

 大震災の復興費を政府はさらに6兆円上積みし、5年間で25兆円とすることも決めた。緊急、かつ人々の生活や地域経済を復興させるために必要な歳出を計上するのは当然だろう。しかし、放射能汚染の除去作業がかなりいい加減に行われているとか、元請けから何段階かの下請けを経て、ピンハネが行われているとか、税金のムダが報じられている。被災地の主要都市では夜の歓楽街が異常に活気づいているというように、国民が負担する復興費用に無駄な歳出が多いことは間違いなさそうだ。もともと復興費用は19兆円でも多すぎるということは以前にこのブログで書いた。

 民主党の政権であれ、自民党の政権であれ、基本的には「こっちの水は甘いぞ」と国民の歓心を買う政党である。そして、官僚支配に依存するためもあり、政治の思いきった転換は行なえない。政治家も官僚も、はたまたその周辺の人たちも、経済政策の大胆な改革には及び腰である。そこにメスを入れる政治勢力が現れないと、この国の未来は暗澹たるものになりかねない。国民の意識の変革がカギとなる。

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