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2013年2月11日 (月)

内憂を抱える隣国(中国)との緊張関係

 尖閣諸島をめぐる中国の日本との緊張関係は、中国の艦船が日本の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射したという日本政府の発表で一気に高まった。それまでの経緯をみると、日本が領土として実効支配している尖閣諸島について、中国は自国の領土だとし、核心的利益とみなして奪取する構えすら感じさせないではない。

 しかし、平和憲法のもと、国際紛争を武力で解決するという手段を放棄している日本としては、あくまで外交を通じて中国との戦略的互恵関係の再構築に努めるしかない。その意味で、中国が国内の矛盾対立を外国との緊張関係に転化するようなことにならないよう、多角的な協力を進めることが望ましいだろう。

 最近、中国は国のラジオ放送やテレビ放送で高級腕時計などぜいたく品の広告宣伝を行なうことを禁止した。また、習近平総書記は先に党・政府の幹部に対し、派手な新年パーティ、ぜいたくな団体旅行などをやめるよう指示した。国有企業の幹部に対しても同様に指示した。党・政府・国有企業の幹部たちの汚職や腐敗に民衆が強い不満・不信・怒りを示しているうえ、貧富の格差が極端に開いているからだと思われる。ジニ係数は0.47とか0.61とかというほどだ。

 広東省などでは労働者の賃金を大幅に引き上げるようにと指令を発している。しかし、そんな程度では貧富の格差はほとんど是正されない。そこで、総書記は党や政府の指導者に対し、地位を利用してのぜいたく三昧にブレーキをかけようとしているわけだ。

 最近の北京などでのPM2.5汚染も、コストがかかるという理由で、国有企業や政府がまともな環境対策を怠ってきたツケが回ってきたからである。経済発展はよいとして、指導層の多くが公益を二の次、三の次にして、ただただカネの亡者になったところに、中国社会の欠陥がある。

 こうした社会的な矛盾が深刻化すればするほど、対外的な仮想敵を設けて、そちらに非難の矢をそらそうとする危険がある。日本としては、中国の内政の緊張緩和に協力することも必要になる。人口、領土、経済規模などが巨大な中国が隣りの国であることを、我々日本人は絶えず意識せざるをえないのである。

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