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2013年2月 7日 (木)

進まぬ地方分権改革

 NHKのテレビ番組「釣瓶の家族に乾杯」をよく見る。人との出会い、家族との出会いを求めて、笑福亭釣瓶とゲストとが毎回、異なる市町村を訪れる。観光番組の要素もあり、地域の暮らしぶりの違いなどを知るので、見飽きない。それとともに、この番組を見て感じるのは、地方では、どこに行っても、人が少ないことである。だから、釣瓶たちはとにかく誰かに出会うまでが大変である。

 地方は人口の減少と高齢化の直撃を受けている。だが、番組に登場するその土地の人たちにはゆったりとした時間が流れ、概してゆとりある暮らしをしているようにみえる。人口が集中する大都市は働く場が多いとはいえ、いろいろな面で住みにくいから、この番組は、地方暮らしにちょっぴり郷愁を感じさせる。

 実際には、都会暮らしも地方暮らしも、働き、生活していくうえでの安心や安全が足りないのではないかと思う。私は東京都区内に住んでいるが、特別区には高齢者がボランティア活動に加わる場づくりや、いつでも集まって楽しく過ごせるような公共の場が皆無である。また、歩道を歩いているとき、常に自転車にぶつけられる危険を意識せざるをえない。住民と行政とがよりよいコミュニティーづくりに一緒になって取り組むという問題意識が区役所のトップにも職員にも欠けているようにみえる。

 ところで、日本経団連が発行している『月刊 経団連』の2月号は「地域主導の国づくり~新しい地域経営の胎動と道州制』と題する特集を組んでいる。「人口減少・少子高齢社会が到来するなかで、地方においては、人口流出、過疎化、自治体財政の逼迫、産業の空洞化や雇用の喪失といった、深刻な問題が顕在化」している。このため、地方分権改革の推進が必要という問題意識からだ。

 民主党政権のときにも進まなかった地方分権改革は、安倍政権になっても無視されたままになっている。しかし、地方自治体の側からの分権改革への取り組みもここ数年、ほとんどとまっている。自治体の職員および首長も議会も、そして住民も、国に依存する体質から抜け切れていない。

 特集は、そうした現状をどうやって打開していくかを、さまざまな論者に発言させている。読んで、とても刺激的だった。いま、安倍政権は目先の問題に取り組んでいるが、地方分権という前々からの宿題にも早く手を付けるべきである。

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