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2013年3月 6日 (水)

働き疲れている労働者?

 鉄鋼、造船重機、非鉄の労働組合で構成する日本基幹産業労働組合連合会(略して基幹労連)が1年あまり前に実施した組合員の総合意識実態調査の結果をまとめ、先に組合員に公表した。そのうち、「改善を希望する労働時間制度」では、年間休日の増加(29.7%)、年次有給休暇の取得促進(19.8%)、1日の所定労働時間の短縮(12.9%)が多かった。

 3つ以内の回答を選択した場合だと、年間休日の増加47.9%、年次有給休暇の取得促進42.5%と上位2つは変わらず。以下、長期連続休暇制度の導入・拡充24.1%、1日の所定労働時間の短縮21.6%、年次有給休暇日数の増加20.8%と続いている。

 基幹労連では、この調査結果は組合員が長時間働いている実態を表していると言う。基幹労連の組合員は工場労働が多い。彼らは出勤せず、休める日がもっと欲しいと思っているのである。そうであれば、まずは、年次有給休暇を全部消化することに労連および各単組は全力を投入すべきではないか。年次有給休暇を100%消化させえないような管理職は処罰せよというぐらいの要求を会社側に突きつけたらいい。年次有給休暇日数の増加なんぞはそのあとの話である。

 「60歳以降も働く理由」(複数回答)については、69.7%が「働かなければ家計が成り立たない」と答えている。次いで、「自分の小遣いに不自由したくない」33.8%、「健康維持のため」31.0%、「住宅ローンが残っている」28.2%、「働くことで生きがいを見つけたい」21.5%、「経験や能力を活かしたい」20.0%などとなっている。

 鉄鋼業では3交代制の現場で、60歳以上の労働者がそのまま働いている。しかし、休日がもっと欲しいという上記の回答が示すように、生活のため、やむをえず60歳以降も働こうとしている人が多いのではなかろうか。

 「60歳以降就労で重視する事柄」として挙げられるのは、「仕事に見合った賃金水準である」が断トツで、53.0%。次が「仕事の体力的負担が軽減される」17.0%である。だが、いま進められている雇用延長は、生活給的な発想であり、給与は年金と合わせれば生活できる水準に抑える流れになっている。この組合員意識調査によれば、労働組合員はそうした流れに納得していないことを示しているのではないか。

 基幹労連もだが、現在の労働組合活動が組合員の意識を反映した労働運動を展開しているか疑わしいと感じることがままある。この意識実態調査の結果を、もっと労働運動のリーダーはじっくり眺め、活動に生かしてほしいものである。

 

 

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