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2013年3月29日 (金)

TPPへの参加・不参加と農業のゆくえ

 TPPに日本が参加すべきか否かで国論が2つに割れているようにみえる。最近、読んだ「WEDGE」4月号に原田泰氏が書いている「TPP不参加で農家の生活は苦しくなる」はTPP賛成論である。それによると、農家が安定した生活を送ることができるのは、農外所得および年金収入があるからで、それらの原資を生み出す非農業分野の産業の繁栄がなければ、不可能だと指摘している。日本がTPPに参加しなければ、日本の産業は没落し、それとともに農家の安定した生活も失われるというわけだ。

 この記事に載っている表「農業所得と農外所得」は、毎年、農水省が行い、発表している「農業経営統計調査報告」に基づく。この「水田作付延べ面積規模別」のデータは興味深い内容を含んでいる。たとえば、3ha未満の場合、経営体(ほとんどが家族経営)平均で、農業所得46.0万円、農外所得196.3万円、年金等収入196.4万円、総所得430.7万円である。

 農業だけを取り上げれば、売上から肥料等や人件費を差し引いたら、ほんのわずかしか残らない。0.5ha未満の経営体では、農業所得はマイナス10.1万円である。だが、農外所得186.5万円、年金等収入251.2万円もあり、総所得は422.2万円とゆとりがある。したがって、多くのコメづくり農家は会社、役所勤めなどで稼ぐのと高齢者が受け取る年金とで暮らしている。原田氏が指摘するのはこのことである。

 一方、20ha以上の経営体となると、農業所得1343.4万円、農外所得161.9万円、総所得1519.6万円と、全く様相が異なる。3ha以上でも、農業所得606.4万円、総所得830.8万円である。ひとくちに農業といっても、こんなに違うのである。

 農業の就業人口は251万人、このうち65歳以上が60%である。平均年齢は65.9歳。年々、平均年齢が上がっており、年金受給者は増える一方である。日本農業の現実がこれらの数字に表れている。

 TPPの是非を考えるにあたっては、このような日本農業の相違を踏まえる必要がある。

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