« 2011年度の国の連結財務書類を眺める | トップページ | 斉藤惇日本取引所グループCEOが構造改革の必要を指摘 »

2013年4月 2日 (火)

人口減少で水道料金は引き上げへ

 日本は人口が減少する時代に入った。3月下旬に国立社会保障・人口問題研究所が発表した地域別将来推計人口によると、2010年と2040年(推計)とを比べると、人口が増える市区町村数は80、減る市区町村数は1600。うち、人口が0~20%減る市区町村の数は433、20~40%減るのは785、そして40%以上減る市区町村数は実に385に達する。

 また、それらの自治体で、65歳以上の人口が40%以上を占めるのは、2010年には87だったが、2040年には836にまで増える。50%以上という市区町村数は、たった9だったのが167に及ぶ。こうした急激な人口減少と高齢化の進行は日本の経済社会に深刻な影響を与え、大きな方向転換、意識改革を迫ってこよう。

 従来の成長・拡大や横ばい・安定とは全く異なる局面に私たちは入ったということを理解しなければならない。

 3月29日に厚生労働省が発表した「新水道ビジョン」は、そうした流れでとらえるとわかりやすい。新ビジョンは、人口減少、および、東日本大震災による水道供給停止などの教訓をもとに、水道事業の将来を展望し、「安全な水道」、「水道サービスの持続」、「強靭な水道」の3つを柱に掲げた。いつでもどこでもおいしく飲める、人口や給水量が減っても事業を安定的に運営できる、被災を最小限にとどめ迅速に復旧できる、といったポイントを今後の主要な課題ととらえているわけだ。

 このなかで強調している1つは、水道事業は固定費が大部分を占める装置産業であり、給水の量にかかわらず、事業費用が減らないという特性である。また、施設の老朽化が進み、更新投資が必要になっているが、人口の減少を踏まえた水道施設の再構築が必要とされるという。過疎地域への給水サービスは従来とは違う給水方策をとることも必要としている。

 また、料金体系全般の変更が必要だという。即ち、「強靭な水道」などを実現するため、現在の料金を見直す(引き上げのこと)ことや、逓増性料金体系の見直し、基本料金と従量料金の関係の見直しなどである。これまでは需要を満たす供給施設をととのえるのにお金がかかったから、たくさん使う利用者には割増料金を課した。しかし、人口が減り、水道使用量が減る時代を迎えると、多く使ってくれるほうが望ましい。したがって、使えば使うほど追加料金が安くなる料金体系に切り換えることが必要になる。

 その他、新ビジョンには、事業者間の連携とか、水道に携わる職員の数・質の充実や、日本が誇る水道技術の輸出など、さまざまな論点が示されている。一見の価値はある。

 

 

|

« 2011年度の国の連結財務書類を眺める | トップページ | 斉藤惇日本取引所グループCEOが構造改革の必要を指摘 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人口減少で水道料金は引き上げへ:

« 2011年度の国の連結財務書類を眺める | トップページ | 斉藤惇日本取引所グループCEOが構造改革の必要を指摘 »