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2013年4月19日 (金)

首相が就活解禁時期の繰り下げを要請とは

 安倍総理大臣は20日、日本経団連、経済同友会、日本商工会議所のトップと会い、大学生の就職活動解禁時期を3か月遅くし、3年生の3月にするよう要請した。経済団体のトップは要請を受け入れるようである。

 就職活動がなるべく学業の妨げにならないようにすることは昔から必要だとわかっていたが、いつ、ヨーイドンで一斉に始めるかでもめてきた。決めても、抜け駆けする企業があるため、放っておけば、開始時期が早まる傾向があった。学生は就職難で浮き足立っているため、内定をとっても、もっと良いところをと就活を続ける傾向があり、教育の観点から就活開始時期は遅いほうが望ましい。

 したがって、安倍首相が解禁時期の繰り下げを要請したこと自体は結構なことである。しかし、こんなことまで一国の総理大臣が口を挟まねばならないというのは情けない話だ。

 経済界は採用の対象である大学卒の質の低下にかねて不満を抱いている。だが、3年生の途中から就活に奔走し、勉学どころではなくなることが学生の質の低下につながっているという認識が企業の側には乏しい。

 また、大学の側も、多くは、学生の就職活動を最優先に認め、就職率を上げることが、また志願・入学者の確保につながるという考え方になっており、教育の質の向上なぞは二の次になっている。したがって、就活の解禁時期を、本来、学業の妨げにならない時期にまで遅らせるべきだという主張はほとんど聞かれない。

 だから、安倍首相が見るにみかねて、採用する側の経済団体トップに解禁時期繰り下げを求めたということのようだ。しかし、この程度の問題について経済界と大学側とが自主的に協議し、望ましい結論を下せないというのは情けない。自分の利益にばかりとらわれ、およそ大局を踏まえ、王道を行くことを忘れている日本の現実の表れである。

 安倍内閣になってから、安倍首相のパフォーマンスが目立つ。今回もその一環だろうが、それが本質的な解決になるのかは、よく考える必要がある。

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