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2013年5月 9日 (木)

超ビッグビジネス、トヨタ自動車の決算数字を読む

 トヨタの社風を知りたいなら、司馬遼太郎の『覇王の家』を読むといい――30年以上前、トヨタに詳しい記者に勧められた。家臣が一致結束して殿様のために命をささげて戦うという三河独特の気風、それがトヨタですよと彼は言った。

 8日にトヨタ自動車が発表した13年3月期決算。そして14年3月期決算の予想の数字。それらを読むと、強いトヨタが復活したことがわかる。デフレからいつ脱却できるかわからない日本経済の沈滞状況の中から、トヨタは自らの懸命の自助努力でリーマンショック以前の業績レベルに戻ってきている。三河武士の精神がいまも息づいているのだろう。

 トヨタの前3月期の決算数字を紹介すると、連結決算(米国会計基準)では、売上高が22兆円余、純利益は9621億円である。この売上高は日本の国家予算の5分の1程度にあたる。単独決算だと、売上高10兆円弱、純利益6977億円だ。総資産は連結で35兆円余、単独で11兆円余。連結の研究開発費は8074億円。そして従業員は33万人余である。連結純利益の増加に寄与した要因は、営業面の努力6500億円、原価改善4500億円、為替変動1500億円で、連結純利益の減少に働いた要因は諸経費増加が3000億円、法人税等・非支配持分帰属損失3259億円である。

 これほどの大所帯を気の緩みなく経営できるというのは、経営者の力量というよりも、三河武士の精神に源流を持つ社風・企業風土だろう。

 前3月期のトヨタの自動車国内販売は161万台、輸出が192万台である。国内生産は337万台、海外生産は519万台だ。セグメント会計によると、日本での売り上げは12.8兆円であり、北米は6.3兆円と日本の半分である。欧州は2.1兆円、アジアは4.4兆円だ。グローバル企業だとはいえ、日本にまだ相当、軸足を置いている。そして、研究開発費が連結で8074億円、単独で7109億円が示すように、研究開発はほぼ日本に集中している。

 豊田社長は「もっといいクルマをつくる」ことによって持続的成長をはかると語ったが、その根幹は日本に集中している研究開発部門にかかっているということのようだ。

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