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2013年5月 6日 (月)

『日本財政 転換の条件』(井手英策著)から

 日本の財政は、国の債務の対GDP比が先進国で最悪である。政府は財政健全化への道程をゴールデン・ウイークが明けたあとに詰めるようだが、従来、表明していた健全化目標をさらに先延ばしする可能性が高い。財政改革というと、歳出減と増税、それに経済成長という答えになるが、2月に出版された『日本財政 転換の指針』は、財政のそもそもの意味・役割から説いていて参考になる。以下にいくつかの論点を紹介する――

 財政の原理について:財政が目指すのは、低所得層が他者から承認され、尊厳をもって生きていける社会、そして、中間層がそのための負担を厭わない社会である。

 財政再建策について:予算の中身を変えるなら個別審査主義でなければならない。だが、日本的な予算風土では、それは難しい。それでシーリング(総額抑制)を導入した。この、支出構造を大きく変えることを諦めた点こそが日本の予算編成の特質である。

 増税について:人々は財政再建のための増税には強く反対している。受益なき負担増は強い抵抗を受け、さらに次の増税の足かせとなる。日本以外の先進国では、現金給付を抑制し、現物給付による生活保障へと力点を移すことによって、幅広い層に租税負担を求めることが可能になっている。

 公共事業の役割:日本の保守政治の底流には、社会保障等による「救済」ではなく、公共事業に代表される「働く機会の提供」を重視する思想があった。したがって、もしも公共事業を削減するのなら、それが果たしてきた社会経済的な機能をどこかで補完すべきである。

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