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2013年5月20日 (月)

「国民の税金」という意識が乏しい役人

 20日付け朝日新聞朝刊によれば、東日本大震災のがれきを受け入れると手を挙げ、国の復興予算を使って廃棄物処理処分の施設を整備したものの、実際にはがれき処理をしなかった被災地外の自治体・組合が10カ所あるという。そこへの復興予算交付は全部で250億円に達する。環境省は交付金の返還を求めないという。

 一般に、廃棄物処理処分施設をつくる際、自治体側が総費用の28~37%を負担すれば、残りは国が負担してくれる。そして、大震災のがれき処理が大きな問題となったため、環境省は、がれき受け入れを検討する自治体・組合には、負担をゼロとする特例を設けた。それで11、12年度に被災地外の15の自治体・組合に復興予算をつけたという。

 しかし、被災地外で処理処分するがれき量が見込みを大きく下回ったため、結果的に、復興予算が被災地以外の施設整備に投入された形となった。これに対し、環境省は資金の返還を求めない方針だというし、自治体・組合のほうも皆、返還しないようだ。

 こうした経緯を振り返ると、次のようなことが言える。すなわち、被災地が県内で、がれきの処理がしきれない場合、他の自治体が助けるという支え合いが望ましい姿だが、現実は、自治体間のエゴが丸出しになっていて、助け合いが難しい。そこで、国はエサ(カネ)をばらまくことで地方自治体を釣ろうとする。地方自治体は、得するなら、国の政策なるものに食い付く。それで、国は歳出を増やす。そして、プロジェクトが見込み通りの成果を挙げなくても、責任を問わない形ですます。財政にしわよせすることで問題をうやむやにする。

 自治体には、交付金など国からできるだけカネを多くもらおうという意識が強い。国・地方の借金の膨張なんてことは他人事である。また、霞が関の官庁は縦割りで、財務省など一部を除いて、カネを使うのが仕事と思う連中ばかりだ。国民の税金という意識が国・地方の役人にはきわめて乏しいのである。安倍政権が財政再建にどこまで本気か、心配になるが、役人に財政再建策の策定をゆだねたら、決してうまくゆかない。

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