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2013年5月25日 (土)

井堀東大教授の「経済教室」

 日本経済新聞の24日付け朝刊「経済教室」は、財政学の東大教授、井堀利宏氏が「財政再建の課題 上」を執筆。見出しには、「『平時』の歳出削減は不可避」、「既得権に踏み込め」、「増税のみでは効果なし」とある。

 結論を紹介すると、ずっと機動的財政運営を続ける余裕はない、財政健全化に方向転換すべきであり、そのためには、政府が相当規模の増税シナリオを提示すること、および、社会保障歳出、地方への補助金、農業補助金、公共事業などの既得権がらみに切り込んで歳出の効率化を図るべきだという。成長戦略としては、大胆な規制改革を行なうよう主張している。

 日本国政府は担う政権政党が変わろうが、景気が変動しようが、財政規律を無視した財政膨張を続けている。プライマリーバランス(基礎的財政収支)を2020年までに黒字化する、という”口約”は民主党から自民党に引き継がれているが、その実現は相当むずかしい状況にある。

 このため、井堀氏は「各年度の財政赤字、公債発行に上限を設定して、中期的にその規模を次第に縮減することにあらかじめコミットする」よう提案している。そうすれば、財政の悪化に応じて、自動的に歳出の削減と増税の予算化をせざるをえなくなるという。こうした財政健全化の中期シナリオを制度化すべきだとしている。

 過去数年の日本財政は国債発行の急増にみられるように急速に悪化している。とても政治が財政再建に本気で取り組んでいるとは思えない。このため、井堀氏の「経済教室」を読んでも、政治が財政再建に本腰で取り組むとは考えにくい。実は、井堀氏自身も悲観的なのではないかとすら憶測する。ハードルがあまりに高いからだ。

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