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2013年5月29日 (水)

サントリー食品の株式公開

 サントリー食品インターナショナルの東証上場が決まった。さっそく、知り合いから、東証がこの上場を決めたのには違和感を覚えるというメールが届いた。

 私も同じく違和感を抱く。サントリーホールディングスが株式を公開するのが基本なのに、その1部門とも言うべき飲料・食品の会社の株式を公開、上場するという話だからだ。

 サントリーは昔から創業者一族の鳥井・佐治両家の会社として知られ、株式は非公開だった。持ち株会社化してからは、寿不動産がサントリーホールディングスのほとんどの株式を保有。この寿不動産の株主は創業者一族の家族およびサントリー芸術財団およびサントリー文化財団ということらしい。

 上場が決まったサントリー食品インターナショナルは、サントリーホールディングスの1部門である。寿不動産の孫会社に相当する。

 したがって、親会社のサントリーホールディングスや、その上の寿不動産がサントリー食品インターナショナルにどう影響力を行使していくか。それがサントリー食品インターナショナルの株主には全く見えない。同社のガバナンスや情報公開が適切か否か。そこに疑念が生まれかねない。

  サントリーホールディングスはサントリー酒類、サントリーワインインターナショナル、サントリーウエルネスなどの子会社も抱えており、それらの子会社については、株式が非公開である。したがって、それらの子会社とサントリー食品インターナショナルとの間の関わりが適切かどうかが気になる。

 株式公開を機に、サントリー食品インターナショナルは増資で外部から資金を調達する予定だ。そして、企業買収などを行ない、積極的に経営を拡大していく方針のようだ。それを中核に、持ち株会社も大きく発展することをめざしている。だが、持ち株会社の各子会社の盛衰に応じて、公開会社のサントリー食品インターナショナルにしわよせしたりすることがないとは言い切れない。

 本来、持ち株会社が株式を公開するのが常識だが、それだと、寿不動産を通じての、一族による会社支配が続かない。したがって、今回の公開は、外部資金導入による会社の発展と同族支配とを両立させるための変則的な株式公開と受け取るしかない。

 パブリック(公開会社)か、プライベート(非公開会社)か、両方のおいしいところをとろうというのが、今回の子会社株式公開である。それを問題なしとみるか。東証の判断が妥当かについても、疑問が残る。

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