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2013年6月16日 (日)

空疎な感が強い”骨太の方針”

 政府が14日の閣議で決めた「経済財政運営と改革の基本方針について」、通称、”骨太の方針”を読んだ。骨太のはずなのに、36ページも費やして、あれもこれもと細かく記述しているので、後半は読むのがおっくうになった。

 読んでいて妙に違和感を感じた理由の1つは、日本人とか、国とか、愛国心の涵養につながる言葉が出てきたことである。例えば、「強い日本、強い経済を実現することを通じて、全ての日本人が日本に生まれた喜びと誇りを持てる国を創る、これが日本経済再生の先に目指すべき姿である。」といったように。

 2つ目は、骨太の方針のはずなのに、「見直し」、「検討」、「配慮」、「推進」、「強化」、「着実に進める」、「充実」といった言葉を多用している。検証可能な形で記述された政策はほとんどなく、要するに口当たりのいい無責任な内容ばかりである。骨がスカスカである。

 第3に、国民に日本が直面している経済財政の実態、現実を知らせ、理解してもらう、そして経済社会の再生のために重荷を背負ってほしいと説く姿勢がうかがえない。その正反対で、国民に真の問題点を隠し、安倍政権のもとでなら、うまくいくというような幻想をふりまいているようにみえる。

 第3章は経済再生と財政健全化の両立についてかなり詳しく記述している。しかし、財政再建に必要不可欠な具体的な政策には触れていない。そこに書かれた内容程度で財政健全化が実現すると思う専門家はいないだろう。むしろ、長期金利が上がりだしたことなど、”アベノミクス”の危うさをマーケットは示し始めているようにみえる。

 小泉内閣時代の”骨太の方針”は、経済財政諮問会議のメンバーが中心になって作成した。官僚の作文集ではなかった。しかし、今回のは、まさに作文集である。夏の参議院選挙を強く意識する安倍氏ら政府与党の方針や各省庁の政権追従との合作とでも言うべきものである。

 

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