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2013年7月 6日 (土)

社会保障と財政の持続性欠如

 5日付け日本経済新聞朝刊の「経済教室」で、大和総研の武藤敏郎理事長が社会保障制度の持続可能性をどうやって確保すべきか、を論じている。参議院選挙の政策の論点として取り上げられたのだが、その内容は極めて重大、かつ深刻なものである。立候補者も、有権者も、武藤氏の提起した問題に正面から取り組んで、日本の未来を明るいものにすることを切望する。

 武藤氏の主張は、大和総研が「超高齢日本の30年展望」と題して5月14日に発表したものの要約である。「持続可能な社会保障システムを目指し挑戦する日本」という副題が付けられている。

 それを読むと、「日本財政は、世界一の超高齢社会の運営をしていくにあたり、極めて低い国民負担率と潤沢な引退層向け社会保障給付という点で最大の問題を抱えてしまっている」と記されている。そして、財政赤字の縮小は、増税、歳出削減の実施と、家計消費や企業の投資の活発化とを同時に進めないと実現しないと述べている。

 「経済教室」に書かれているように、現行社会保障制度の負担と給付を続けると、基礎的財政収支(PB)は悪化し続け、2040年度末時点の公債残高は2700兆円、GDPの2.8倍に達すると予測されている。そこに至る前にとっくに国の財政は破綻しているはずだが、ギリシャなど南欧諸国の危機状況をはるかに上回る深刻な事態になっていよう。

 武藤氏は年金支給開始年齢の引き上げなどから成る「改革シナリオ」だけではPBの黒字定着にはいたらないとして、医療費の自己負担割合を全国民一律に3割とするなどの「超改革シナリオ」を提示している。「課題の本質は社会保障制度の持続可能性を確保することにあり、財政収支の改善はその結果である」と武藤氏は指摘している。

 財政危機や社会保障制度の持続性確保などは、短い選挙運動の期間中には取り上げにくいテーマだが、選挙中も選挙後も、ずっと国政の中心テーマの主なものであるべきだ。それを国民にきちんと訴える、そして国民もそれに耳を傾ける、という日が一日も早く来るよう願っている。

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