« 経済財政白書の財政健全化に関する言及 | トップページ | 10年以上前から予測されていた猛暑や豪雨・洪水など »

2013年7月28日 (日)

消費税引き上げを国民にわかってもらう努力がうかがえない

 来年4月に安倍内閣が消費税を引き上げるかどうか怪しくなってきた。消費税の引き上げで消費が落ちる可能性が大であることは誰もがわかっている。それなのに、安倍政権は、消費が落ちるおそれが強いときは消費税引き上げを先に延ばすかもしれないという。

 日本財政が先進国で最悪の状態にあることは広く知られている。むしろ、それで、いままでよく破綻しなかったなあというのが先進諸国の本音の日本観ではないか。にもかかわらず、肝心の日本政府は、毎年、税収に匹敵する国債を発行して、税収の倍近い歳出を維持してきた。しかし、ここまで財政状態が悪化したのだから、もうあとがない、財政再建に取り組むべきだ、というのが欧米やIMFの本音だと思われる。

 普通に考えれば、自民党は参院選で勝利し、3年間は自民・公明両党の安定政権を約束されたようなもの。したがって、安倍政権は国際公約もあり、財政再建に真っ先に取り組むのが当然だ。それなのに、なんと、財政再建の初めの一歩である消費税引き上げにびびっているのである。これは、安倍首相が内閣の宿題として、安全保障や外交を重視し、財政再建に取り組むのは政権の基盤を弱めるだけと思っているからではないか。

 財政危機を打破するには、増税、歳出の削減・効率化、経済成長(による税収増)が必要である。社会保障制度の整備・効率化はそれらに含まれる。そして、それらを実現するには、「良薬は口に苦し」、国民が理解し、支持してくれることが欠かせない。

 だが、安倍首相は、国民に厳しい財政状況を理解してもらい、増税や歳出カットなどの犠牲をお願いするという努力をしない。それどころか、参議院選挙でふりまいたバラマキの公約を果たすため、財政支出を膨らまして自民支持層のご機嫌をうかがっているようにみえる。こうした政治は、昔の自民党のやりかたで、およそ財政破綻を避ける努力とは正反対だ。

 28日の朝日新聞のコラム「波聞風聞」(原真人編集委員)で、「この期に及んで日本が2015年に消費税を10%にできなければ」、金融市場はパニックに陥るだろう。「その衝撃と混乱の大きさは増税の影響の比ではないのではないか」と指摘している。コラムの末尾に、そうなったら「海外に移住するか、預金をすべて外貨にしますよ」というあるエコノミストの言葉が引用されている。ありえないことではない。それも1、2年のうちにだ。

|

« 経済財政白書の財政健全化に関する言及 | トップページ | 10年以上前から予測されていた猛暑や豪雨・洪水など »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/57883127

この記事へのトラックバック一覧です: 消費税引き上げを国民にわかってもらう努力がうかがえない:

« 経済財政白書の財政健全化に関する言及 | トップページ | 10年以上前から予測されていた猛暑や豪雨・洪水など »