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2013年8月14日 (水)

未帰還の海外戦没者遺骨は約113万柱

 最近、映画「風立ちぬ」を観た。宮崎駿の作品である。”ゼロ戦”を設計した堀越二郎の話と、堀辰雄の小説『風立ちぬ』とを混ぜ合わせて作り上げた作品である。その解説については、冷泉彰彦氏のブログがすぐれている。私が物足りないと感じたのは、戦争の悲惨な面がほとんど描かれていなかった点である。

 8月15日を前にして、厚生労働省が「戦没者慰霊事業の実施状況」を発表した。先の大戦により、海外で戦没した日本人は約240万人だった。そのうち、未帰還の遺骨は約113万柱だという。半分近くが現地に眠っている。

 その内訳を見ると、海に没したままが約30万柱、相手国の事情により帰還困難が約23万柱、その他が約60万柱とのこと。戦後68年、いまなお帰還することなく、外国のどこかで眠っている英霊がこんなにも沢山いるのである。

 国・地域別にみると、フィリピンでは51.8万人が戦没し、いまなお約37万柱が未帰還である。このほか、中国本土、中部太平洋、東部ニューギニア、ミャンマー、ロシアなど、日本が侵攻した、ないし攻められた広い地域に、多数の英霊がいまなお横たわっている。

 戦前に生まれ、あの戦争を肌で実感した世代は少なくなった。それほどの歳月が過ぎているにもかかわらず、未帰還遺骨の収集・帰還は終わらない。英霊の御霊を慰めるべく、政府は遺骨の収集・帰還に年間13億円を投じている。旧満州の中国・東北部では、日本人約24.5万人が戦没したが、未帰還遺骨は実に約20.6万柱にのぼる。現地の事情で帰還が進まないというが、現地側との合意を得るために日本政府はもっと努力する必要があるだろう。

 戦争の傷跡は、日本は無論のこと、関わった国・地域にも消えずに残っている。最近の日韓関係のこじれにもみられるように、かつての戦争や植民地支配を簡単に単なる過去の出来事に終わらせてはくれない。それほどに歴史は長く深い傷を私たちに刻み込んだのである。

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