« 2020年、その頃の日本は? | トップページ | 地鎮祭で自然への畏れを感じた »

2013年9月15日 (日)

消費増税の影響をなくす対策をという発想に疑問

 昨日まで1週間ほど海外を旅行していたので、帰国後、その間の新聞を読んでいる。その中で、日本経済新聞の13日付け「法人税下げ、来年度にも  消費増税 経済対策5兆円超」などといった記事を読んで気になった。

 安倍首相は経済対策を5兆円超とするよう関係閣僚に指示したという。消費増税後の景気を下支えするのが狙いだという。消費の落ち込みを現金給付で補う、経済成長を後押しするためには企業への投資減税を行なう、賃上げを行なう企業には法人税を優遇する、などが挙げられている。

 しかし、こうした景気対策には疑問を抱かざるをえない。日本の財政危機の度合いがどれほど深刻か、国民の理解は格段に進んでいる。したがって、消費税を引き上げても、過去の消費税導入時や税率引き上げ時の際の消費落ち込みに比べ、軽度のマイナスにとどまると予測できる。ここで、大掛かりな景気対策を実施するのは、財政危機に拍車をかけるだけだ。

 5兆円超の景気対策の中には、一時的な歳出増もあれば、法人税のように後年もずっと税収減になるものもある。しかし、一時的な歳出増といえども、一旦実施したら、それを継続するよう求める圧力がかかるだろう。簡単にはやめられない公算が大である。

 経済成長による税収増を期待したいところだ。しかし、景気対策による財政悪化をチャラにし、GDPの2倍超に達する公的債務を着実に減らすほどの税収増を期待できるだろうか。

 これまでも、景気が低迷すると、財政出動して国の債務を増やし、景気がよくなっても、膨らんだ歳出を続けるよう求める圧力のもとで、債務は増加の一途をたどってきた。そうした”慣性”に歯止めをかけるという覚悟が安倍首相にはうかがえない。

 歳出の効率化により歳出削減を図るのは財政改革の王道のはずである。しかし、安倍首相はそれには関心を示さない。内閣の閣僚たちも同様。票を集めるためカネをばらまく自民党の伝統から脱していないのである。

 消費税の8%、10%への引き上げは医療など社会保障費の増加をまかなうために行なうという建て前で進められている。しかし、経済対策の規模、5兆円超というのは消費税の2%分に相当する。どう計算しても、2014年度の歳出増は必至だし、国債増発・公的債務拡大にならざるをえない。

 財政再建は国際公約であり、政府・与党が本気でそれを守る意思があるのか疑わしい。メディアも(日本経済新聞もそうだが)、安倍首相の方針の危うさを明確に指摘して、日本の破滅への道を阻む使命感が乏しいようにみえる。

|

« 2020年、その頃の日本は? | トップページ | 地鎮祭で自然への畏れを感じた »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/58200573

この記事へのトラックバック一覧です: 消費増税の影響をなくす対策をという発想に疑問:

« 2020年、その頃の日本は? | トップページ | 地鎮祭で自然への畏れを感じた »