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2013年9月24日 (火)

米国経済についての中前忠氏の指摘は鋭い

 24日付け日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」に、「米国経済はなぜ弱いのか」という題で中前忠氏(中前国際経済研究所代表)が書いている。いつも、中前氏の主張には、エコノミスト・学者のそれと異なる視点が盛られているが、この日の指摘は、深くうなずけるものだった。

 米国経済は、コスト引き下げのために非正規雇用を増やしてきた結果、労働生産性と家計所得が低下した。低賃金に偏ると、設備投資の増加は期待できない。中産階級も縮小し、消費者ローンで消費拡大を図るしかない。そして金融の量的緩和政策は市場価格による資源配分機能を壊してしまった。したがって、経営者、資本家だけでなく、消費者も将来を見通す尺度が持てない。また、金融の量的緩和は資産インフレを招き、新興国への資本流出により新興国の経済のバブル化を起こす、と。

 全くその通りだと思う。そして、日本経済の低迷が長く続いたのも、米国についての中前氏の理論通りに推移したからだと思う。非正規雇用への依存を増やし、全体の賃金水準を抑えた。それで、売上高も低迷し、低賃金化がとまらない。将来への明るい展望がない。

 そこに登場した安倍内閣の経済政策は、何が成長産業かを政府が決め、重点産業分野の企業に政府も投資したりする。市場にゆだねるのではなくて、ここが将来的に重要だと政府が判断した産業分野を官民一体で育成するという方向にある。このあたりは昭和30年代から40年代にかけて通産省が中心になって推進した産業育成策をほうふつとさせる。この点は、米国の経済政策と大きく異なる。

 アベノミクスは官僚による経済構造の修正、即ち市場主義に社会主義的な要素を盛り込んだという見方もできよう。

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