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2013年9月23日 (月)

食料確保などで進む外国の土地買収

 外国の企業や個人が北海道や東北などで、森林などの土地を買収している。数年前からときどき話題になっているが、日本政府や地方自治体がその実態をきちんと把握し、どういう対応が適切か、十分に検討したという話は聞かない。

 最近読んだレスター・R・ブラウン(アース・ポリシー)の「The Global Land Rush」(世界的な土地取得ラッシュ)は、サウジアラビア、韓国、中国、インドなどがエチオピアなど外国の土地を購入するか借りるかして小麦、コメ、とうもろこし、大豆をつくり、自国に持ち帰る近年の顕著な動きを取り上げている。

 上記のような国々では、人口の増加や経済発展に伴って、食料の自給率(および水の自給率)が下がり、食料の輸入依存度が高まっている。また、国際的な穀物市況高騰は、食料輸出国の国内価格にまで波及するので、輸出を制限する国が多い。こうした事情を背景に、輸入国は食料の量、価格の安定確保を求めて外国での自前生産に動いているわけだ。

 しかし、外国資本による農地利用は、農機具、肥料、農薬、種子を外国から持ち込む。そして、実った小麦などの農産物は船で外国に運ばれる。そういうわけで、地元の経済および食料供給にほとんど貢献しない。外国資本は地元の貧困をそのままにして、いいとこどりをしている。

 2012年、エチオピアで、コメを栽培しているサウジ系の農場の労働者が襲われた。この事件は、こうした外国資本による農業経営への反発が背景にあるようだ。

 この論文の言いたいことは次の点である。食料確保のため、海外資本が途上国に、大規模かつ機械化された資本集約的な農業を持ち込むのではなく、国際的な支援のもと、村のレベルで労働集約的、家族的な農業を営むのがいい。そして、地域のマーケットに向けて生産し、皆が望んでいる職(仕事)を創り出すことが求められている、と。

 グローバル化の今日、資本の移動は止められない。でも、外国資本の手によるものにせよ、国内資本のそれにせよ、土地資源の利用が国や地域の利益になるかどうか、慎重に確かめるのは必要なことだと思う。よその国においても、カネさえあれば何でもできるというのは、傲慢である。

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