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2013年10月13日 (日)

報道写真家、福島菊次郎展に圧倒された

 日本新聞博物館(横浜)で開かれている福島菊次郎展を見てきた。「反骨の写真家、福島菊次郎92歳」とパンフレットに紹介されているが、恥ずかしながら、報道写真家の彼を全く知らなかった。

 今回の写真展は「ある原爆被災者の記録」から始まって、「水俣病」、「東大安田講堂攻防戦」、「あさま山荘事件」、「三里塚闘争」、「足尾銅山」など、主に戦後日本史の暗部とも言うべき出来事を撮った作品が展示されている。私自身、これらに直接関わることはなかったが、こうして並べられると、戦後日本の繁栄なるものが、大きな犠牲を伴っていたことを強く感じた。

 現在、アジアの途上国は経済発展をめざして努力しているが、貧富の格差が大きい、人権を無視しているなど、強引な政治を推し進めているところが多い。そうしたアジア諸国の「現在」が日本の「過去」と重なって見えた。日本は思い上がってはいけない、そう思ったことである。

 福島氏の出世作とも言うべき「ある原爆被災者の記録」の展示は、直視しがたいほどの悲惨な写真ばかり。被災者、中村杉松さんのものすごい生命力と意思の強さに驚嘆した。撮る福島氏にしても、途方もない覚悟と精神力を持続しえたのは信じられないほどである。ただ、杉松さんの一家の悲惨な状況を撮り続け、それを公表したことについては、現在の私はそれでよかったか、疑問を感じる。

 それはさておき、国家や大企業などの権力に対して厳しい目を向け、レンズを通してその実相をとらえてきた福島氏の写真家としての軌跡に敬意を払う。

 

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