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2013年11月26日 (火)

多数党による特定秘密保護法の強行採決

 「民主主義は、51%の人が団結して、共同で49%の人々を搾取できる制度でもある。だからこそ、憲法は、政府の権力を握った多数派がしてはならないことを決めている」(原田泰著『若者を見殺しにする日本経済』62ページ)。この文を思い出したのは、自民党・公明党の与党がみんなの党および日本維新の会とまとめた特定秘密保護法案を衆議院の特別委員会で強行採決し、可決したからである。

 25日に開催された同委員会の地方公聴会(福島市)では、意見陳述者が皆、反対し、拙速な審議を避けるよう求めた。このように、国民の多くがまだ審議不十分だと感じているのに、与党が採決を急いでいるのは、今後に重要な法案の審議が控えているからだという。勝手に審議、採決などのスケジュールを立て、審議が足りなくても当初のスケジュールにしたがって審議を終え、法を制定するというのは、およそ、従来、国民が抱いていた民主政治のイメージと合わない。

 一票の格差の本格的な是正が図られないままに、自民党・公明党が衆参両院の多数を占めた結果、いまでは、与党はこの国を活かすも殺すも自由な生殺与奪の権を握っている。まことに危うい状況ではないか。

 ところで、国民はアベノミクスなどの政策の危うさに気付きながらも、他方で、日本経済の長期停滞を突破する政治に期待もしている。

 しかし、安倍政権で見えてきた本質の一つは、外交・防衛面での日米協調を基軸に、経済・社会政策の立案・実施に当たっては、霞が関の官僚たちにおんぶにだっこする点だ。平成26年度予算案づくりで、各省とも、深刻な財政危機には目をつぶって拡張的予算を組もうとしているのはその表れである。そして、与党の政治家も、ばらまきを前提に国家予算の相当な増額を求めている。内政面での展望は暗い。

 また、世界を見わたすと、中国が防空識別圏を新たに設定し、日本の識別圏の中に深く入り込んで新たな緊張を招いている。他方で、米国の大国としての影響力にはかげりがみられる。日米協調をふりかざすだけで、日本の生存がいつまで保障されるか。

 日本は国内外で政治のリーダーシップがよりきびしく問われる状況に入った。特定秘密保護法案の審議や採決の過程などをみると、安倍首相のリーダーシップに不安を感じてしまう。

 

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