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2013年12月16日 (月)

除染は何のため、誰のため?と問う多田順一郎氏

 日本記者クラブが16日に催した勉強会で、NPO放射線安全フォーラムの多田順一郎氏(伊達市市政アドバイザーなどを兼務)が”フクシマ”に関する「除染と線量」について私見を述べた。

 その中で、①除染は年間1㍉シーベルト以下まで達成したとしても”不完全な復旧”であり、したがって、除染で”原状回復”は不可能、②除染をしても何一つ新しい価値が生まれてこない、ゼネコンに札束が行くだけ、③年間1㍉シーベルト以下に除染しなくても、十数㍉シーベルトなら健康に暮らしていける、必ずや、少し汚染の残る環境と妥協して生きていく勇気が生まれるだろう、④線量の高い地域は除染せず、国が買い上げて、移住による再出発を支援するほうが合理的、と主張。

 また、中間貯蔵施設と県外最終処分についての政府の見解は悪しきリップサービスで、「国民の誰一人として、県外最終処分が実現できると思わないだろう」と批判、各市町村がそれぞれ小規模な産業廃棄物処分場を持つのがよいと提案した。いまの仮置き場について、住民は当初、危険なものだと思っていたが、実際にはそうでもないと思うようになっている、と指摘した。

 放射線安全フォーラムでは飯舘村の長泥地区で試験除染を実施した。そこから学んだことを踏まえて、除染で「農地の一番よい部分の表土を5cmも剝ぎ取って、山砂を入れるというようなことで、農地が水田として使えるとは思えない」、「山林では腐葉土層を剝ぎ取れば、大雨で山崩れしかねないし、山林から除染廃棄物を運び出す手段もない。収穫物に吸収されない方策をとるべきだ」などと語った。

 また、多田氏は、「数兆円の費用を除染に使ったものの、その効果ははっきりせず、首長選挙で現職が軒並み敗れていることに象徴されるように、住民の不満がうっ積している」と言い、その原因は東電賠償という枠組みをはめてしまった点にあると述べた。賠償である以上、原状回復が基本であり、除染して(住民が元通りの生活に)帰還することが唯一のシナリオになっているというわけだ。その結果、多くの人がこの除染という幻想にとりつかれ、宙ぶらりんに歳月を過ごしていると見る。

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