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2014年1月25日 (土)

関志雄氏が指摘する中国の病い

 尖閣、靖国参拝など、中国の対日攻勢が激しくなる一方だが、経済から見た中国の現状はどうなっているのか。野村資本市場研究所の関志雄シニアフェローが日本記者クラブで24日語った。中国経済の直面する課題は明白であり、改革の処方箋も国内で示されているが、既得権益層の抵抗が強いため、実行されない、ということのようだ。

 いくつかの重要な指摘を私なりの理解で紹介すると、

・中国では、余剰労働力が解消し、後発国の優位性が低下している。所得格差は拡大し、環境問題も深刻化し、官僚は腐敗している。これからも経済発展を進め、国民が豊かになるには、工業およびサービス業を中心とする現代的市場経済に転換すべきである。しかし、政府は公共サービス、公正な法制度などの整備を怠り、経済活動などに過剰に介入するなど、民意とかけ離れた政治支配を行ない、非効率な国有企業の改革に手をつけない。

・大型の国有企業は行政機関に圧力をかけて各種資源を握り、政府ともども民営企業の参入を妨げている。また、増え続ける国有企業の利潤は納税されず、大半が内部留保されている。経営効率を上げるインセンチブが働かず、国際競争力は欠如したままである。輸出に占める国有企業の割合は低下する一方だ。

・清華大学研究グループ(主査:孫立平教授)が提唱する「体制移行の罠」論は、この罠によって露呈した5つの病状と克服策とを挙げている。そこには、国有企業の改革の遅れとか、官僚の腐敗と政府による権力の乱用などの病状が記されている。そして、権力の腐敗などを克服するため、政府の透明性向上など権力を制約するメカニズムの形成とか、国民の意見に耳を傾け、公平と正義を基本価値にすべきだなどとしている。

・リコノミクスや三中全会で打ち出した市場化改革および非市場化改革というのは、同じような改革を志向している。ただ、問題はそれを実行するか否かだ。今後も経済成長を持続するのは、体制移行にかかっている。

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