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2014年1月16日 (木)

経団連新会長人事の意外性

 経団連の新会長に東レの榊原定征会長が就くことが決まった。6月3日に正式に決まる。過去、経団連の会長に選ばれるのは、鉄鋼、電機、自動車、電力、化学などのビッグビジネスのうちのごく限られた企業のトップだけだった。それが、今回、従来の産業の枠を超えて、繊維のビッグビジネスから経団連会長が誕生する。

 日本の高度経済成長時、経済界は自由民主党を支持し、政治資金の大スポンサーとなっていた。経団連は各業界・企業の政治献金のあっせん役を務め、献金額の割り振りなどをしていた。また、国政選挙のたびに、自民党は足りない選挙資金を大手都市銀行からの借金に頼り、借り入れ残高が多い時は100億円を超えたりしたが、この借金の際、基幹産業の上位企業が融資返済の保証人になったのである。

 新日鉄、日本鋼管、日立製作所、東芝、住友化学、三菱化成工業、三菱重工業、トヨタ自動車工業、日産自動車、東京電力、関西電力などがそうである。東レが保証人の一員に加わっていたかどうか記憶が定かではないが、入っていたとしても、貢献の割合は小さかっただろう。

 経団連の会長は、これら自民党への融資の保証人になったビッグビジネスの中から選ばれてきた。政治資金規正法ができ、政党に国から政治活動に必要な資金を給付するようになった今日では、状況は大きく変わっているが、経団連会長に選ぶ人物の出身企業の範囲を上記の融資保証企業に限定してきたことは否めない。

 そうした経緯を踏まえると、経団連の次期会長に東レの榊原氏が選ばれるのは異例だ。それにふさわしい人物が従来の枠の中にはいないか、いても固辞したということを意味しているだろう。日立の川村隆会長が大本命とされていたといわれるが、すでに74歳、客観的にはベストとは言えなかった。

 そんなこんなを考えると、今日の東レの企業としての実力に鑑みれば、榊原氏選出は経団連の旧来の会長選出のありかたを改める絶好の機会となったのではないか。

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