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2014年1月 3日 (金)

石井独眼竜健在なり

 1月3日付け日本経済新聞の企画シリーズ「リアルの逆襲」に石井独眼竜に対するインタビュー記事が載っている。高度成長期に中小証券として異彩を放っていた立花証券。そのトップで、かつペンネーム「独眼流」で独特の相場観を披瀝した石井久氏もいまや90歳。懐かしい思いで日経のインタビューを読んだ。

 その中での指摘はいかにも独眼竜らしい。「人間の強みは洞察力」、「情報は新聞や雑誌などから得ており、インターネットは使えない。長期投資にはそれで十分だ。重要なのは書いてあることをうのみにせず、常に自分の頭で総合的に考えるようにすること」、「世の中にある情報を咀嚼して冷静にみれば、時代の流れを読める」、「多数意見の逆を考えることも大切だ」という。一世を風靡した人らしい物言いである。

 株式相場の展望については、「向う3年ほどは高くなるとみる」が、「長期では日本経済を悲観している。人口減少下でも政府は移民政策に消極的だ。国の借金は1000兆円に及ぶ。必然的に円は弱くなる。個人資産の6割はオーストラリアドル債で保有している。キャピタルフライト(資本逃避)が本当に起きる前に、政府は行動しないといけない」と語っている。

 スターリン暴落を予測したとして知られる石井氏は、上記のように日本の政治経済の中長期展望について厳しい見方をしている。

 ところで、同じ日の日経に「株価 経営者が占う2014年」の特集がある。大企業の経営者20人に今年の日経平均株価の高値、安値、および有望5銘柄とその判断理由とを聞いている。経営者が選んだ有望銘柄はというと、1位がトヨタ自動車、2位が信越化学工業、以下、日立製作所、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ホンダなどとビッグビジネスが名を連ねる。業種では自動車、電機、化学、小売り、金融が多く、伝統的な産業・企業に偏っているようにみえる。情報通信では1人がKDDIを挙げたが、ソフトバンクを挙げた人はいない。

 アンケートに答えた経営者20人の内訳をみると、10人が社長で、残りの10人は会長、名誉会長、相談役である。CEOの実力会長もいるが、20人の年齢は概して高い。そのバイアスが経営者の有望銘柄選定に反映しているのではないか。

 日本政府は成長戦略に力を入れようとしている。しかし、グローバルな競争の中で、日本企業がいささか後れをとっている一因は、経営トップの選出や意思決定のありかたにあるといわれる。その問題点が、いみじくも、この「株価 経営者が占う2014年」の特集記事に顕著に表れているように思える。

 

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