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2014年2月 2日 (日)

フェルドマン氏の財政再建シナリオ

 危機的な日本国の財政状況に対し、どのような財政再建シナリオが可能だろうか。1月21日に日本記者クラブで会見したロバート・アラン・フェルドマン氏(モルガン・スタンレー・MUFG証券チーフエコノミスト)は、何もしないシナリオ、想定する内閣府のシナリオ、および同氏が起こり得ると予測するシナリオの3つを挙げた。

 このうち、同氏が起こり得ると予測するシナリオによると、2020年の一般政府収支は14.7兆円の赤字だが、対GDP比基礎的財政収支は1.8%の黒字となる。これで財政再建の第1ステップである基礎的財政収支の均衡が達成される。

 しかし、そのためには、想定される内閣府のシナリオの一般政府収支赤字34.8兆円に比べ、約20兆円も赤字を削減しなければならない。そこで、削減額を増税と歳出削減とで半分ずつ賄うとすれば、消費税率は16.7%に引き上げる必要があるし、高齢者向けの1人当たり実質社会保障支出を2012年に比べ26.9%削減しなければならないという。同氏は「このシナリオが2020年までに起こり得るのではないか」としている。

 ところで、財務省が「2014年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」を発表、その末尾に「2020年度までの仮定計算」を付している。4つのケースを示しているが、その中の1つ「歳出効率化・経済成長1.5%」では、2020年度の基礎的財政収支は9.1兆円の赤字。また「歳出自然体・経済成長1.5%」のケースだと、基礎的財政収支は14.1兆円の赤字という。

 ちなみに、後者の場合、税収が62.4兆円で、国債費がその半分強の33.5兆円を占める。どう見ても異常な事態である。財務省の試算はいろいろな仮定の上に立ったものだが、どれを見ても、財政再建は政府・与党が死にものぐるいで取り組むべき焦眉の課題であることを示している。

 安倍首相の靖国参拝を機に、中韓両国は日本を外交的に孤立させようと積極的に活動している。これに対し、安倍政権は欧米やアジア諸国に十分納得されるような反論をしていない。日本外交の危機である。安倍首相以下、自民党政権はそのことを理解していないように見える。財政をめぐる日本国の”病い”も相当に重い。憂慮せざるをえない。

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